注目ワークショップを2つ。まずは「よしもとキッズ わらわ戦隊オモロインジャー」。よしもと芸人と子どもたちがユニットを組み、一緒にネタを作り披露するワークショップだ。レイザーラモンHG(レイザーラモン)、ワッキー(ペナルティ)、ジョイマン、もう中学生、大西ライオン、佐久間一行、GO!皆川、デッカチャン、鉄拳、5GAPといった面々が子どもたちとネタづくりとパフォーマンスに取り組んだ。芸人より子どもの方が会場の笑いを取るペアもいて、芸人も手を抜けない。よく頑張った。
もう1つが「Tap*rapしりとり」。アーティストの季里さんによるiPadを使った絵しりとり。絵をかいて次の言葉につなげていき、ipadの画面をタップすると、みんなの描いた絵が爆発したり集まったりする。同じく季里さんの「えまきもん!」もある。みんなで作ったiPadの絵巻世界を卵や猫が飛び跳ねる。みんな、頑張ったね。
いずれも「デジタルえほん」社が発売したアプリを用いてワークショップを楽しむもので、新種のデジタルコンテンツとリアルのライブとを掛け合わせた将来性のある取り組みだ。
このほか今回は、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の子どもたちが制作する「石巻日日こども新聞」を配布・展示したり、マルチスクリーン時代の到来を踏まえた第1回「デジタルえほんアワード」の表彰式が開催されたりするなど、「今」を反映した取り組みもあった。
今年の特徴は2つ挙げられる。まず、企業出展が本格化してきたこと。ベネッセ、無印良品、朝日新聞、ECC、WAO、フジテレビ、マイクロソフト、Yahoo!、第一生命、しくみデザイン、オリンパス、NHK、NTTといった顔ぶれだ。そして、デジタル色が強くなったこと。特に、タブレット端末を用いたワークショップやARを導入した活動が目立った。
しかし、毎年変わらないのは、混雑。2時間待ち、3時間待ちというワークショップも多く、主催者としては申しわけない。にもかかわらず、0歳から小学校高学年まで、いやお父さんもお母さんも、朝から夕方までずっと楽しく参加して、作って作って、「また来るねー」と帰っていく。
年に1度のイベントではなく、常設のワークショップコレクションが各地に開かれていて、いつでもどこでも体験できるようになればいいのにね。ま、それが僕たちの仕事なのだが。
頑張ります。
ハリウッドを凌駕するようなクリエイターやプロデューサーをどう生むかという高等教育は重要な緊急課題だ。コンテンツ産業政策の本丸である。しかし同時に、デジタル技術がすべての人に行き渡り、すべての人が表現する時代には、創造力と表現力の全国的な底上げ策がもっと大切になる。初等教育の問題だ。教育政策、地域政策だ。ワークショップコレクションは、その方向性を示している。
政府は2年前の「知財計画2010」で、「創作系ワークショップへ参加する子どもの数を2020年には年35万人にする」という国家目標を立てた。実はこれはワークショップコレクションへの参加者数を念頭に置いてはじいた数字だったのだが、1日で5万人を呼び込めるほど需要が高まっているのだから、頑張ればすぐにでも達成できそうだ。
頑張りましょう。
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