土肥:逆の話をすれば、ムリして買いたくさせることになりますね。
四元:ですね。例えば、価格を下げる。でもこの行為は自然ではないですよね。ムリをしている。
消費者がそのモノを買いたくなる・買いたくならないという判断基準は、シンプルなもの。消費者はいつでも商品の価値とそれを手に入れるためのコストを天秤にかけています。「価値」よりも「コスト」が重く感じれれば、その商品を買いますか?
土肥:買いません。
四元:ですよね。では「コスト」を上回る「価値」が感じられれば?
土肥:買います。
四元:ほとんどの商品は、価値に応じた価格になっています。価格とコストがつりあっている状態ですが、それでは消費者の財布のひもはなかなか緩みません。もちろん買う人はいますが、僕はつりあっている状態では買ってもらえないと思っている。
「買ってもいい。でも買わなくもいい。特に、今、買わなくてもいい」。このような状態であれば、とりあえず先延ばしてをして、そのうちにもっといいモノがあれば、そっちを買ってしまう。
天秤があって、コストよりも価値が重い状態であれば、消費者はその商品を買いたくなる。自分が買いたいと思えば、他人も同じことを考えているはず。なので「今、自分が買わなければ、誰かに買われるかもしれない。じゃあ、いま買おう」と強い消費意欲が生まれる。
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