イマドキのモテる人とモテない人――どこが違うの?仕事をしたら“男女の関係”が見えてきた(前編)(2/7 ページ)

» 2012年05月02日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

自分の心にフタ

四元:恋愛はしたいのに、自分の心にフタをしている――。「草食系」と呼ばれている人たちは、自分の心にフタをすることで心地良さを感じているのかもしれません。

 でも最近は「街コン」がありますよね。街コンとは街ぐるみで行われる大型の合コンのことですが、このイベントにたくさんの若者が参加しています。なぜ街コンにたくさんの若者が参加しているかというと、周囲の人が「おぜんだて」をしてくれるから。コーディーネーターがいろいろ手配してくれて、店の人は「こっちの席が空いているので、どうぞ」などと声をかけてくれる。

 おぜんだてをしてくれれば、自分から声をかけなくてすむ。そこで「恋愛をしたい」という抑圧された気持ちが解放されるので、たくさんの人が参加しているのではないでしょうか。

 昔でいえば「お見合い」もおぜんだて。そのおぜんだてが今はなくなってしまったので、「恋愛をしたい」と思っている人もその気持ちを押し殺しているのかもしれません。

土肥:なるほど。

ドラッカーのマーケティング

四元:ここでドラッカーの話をしてもいいでしょうか。ドラッカーはマーケティングをとても重視していますが、彼のマーケティングの定義は摩訶不思議なんですよね。

 「売るための行為を不要とし、自然に売れるようにすること」(ドラッカー)――。

 ビジネスパーソンであれば「ドラッカーの言うとおりにできればいいよなあ」と思うでしょう。でも、なかなかできないので苦労する。

 ドラッカーの言っている意味を考えれば考えるほど、いろいろなことが見えてきました。自然に売れるということを消費者の立場から考えると、自然に買いたくなること。売るほうからすれば、あまり努力しなくても商品が売れる。消費者は無意識に買いたくなってしまう。ドラッカーのマーケティング理論は「自然に売れる=自然に買いたくさせる」ことなんですね。

 で、彼が言っていることは「おぜんだて」でもあるわけですよ。売れるための行為を不要として、自然に売れるという意味においては。おぜんだてをしておけば、その後はとくにがんばらなくてもいいでしょ、という話ですね。

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