イマドキのモテる人とモテない人――どこが違うの?仕事をしたら“男女の関係”が見えてきた(前編)(1/7 ページ)

» 2012年05月02日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 あなたの周りに、こんな人はいないだろうか。いわゆる“イケメン”ではないのに、なぜか女性からモテている男が。

 少し古い話になるが、かつて「3高」という言葉が流行した。年収・学歴・身長の高い男性が、女性からの人気を集めていた。しかし、今は違う。では、どのように違うのか。そこにモテる人の共通点があるのかもしれない。

 そこで電通総研の四元正弘さんに、マーケティングと精神分析などの切り口から「現代のモテ事情」を分析してもらった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

四元正弘(よつもと・まさひろ)

 恋愛市場の動向を研究するラブ・サイエンティスト。大手飲料メーカーを経て、現在は電通総研で勤務。筑波大学大学院客員准教授。

 主たる専門領域は消費心理、動向分析、地域ブランド開発、ワークショップファシリテーション。東京大学工学部化学工学科卒業。


おぜんだてがなくなった

土肥:いきなり“暗い話”で申し訳ありませんが、彼氏・彼女のいない率が増えています。結婚相談所が行った調査によると2011年に新成人になった男性で「彼女がいる」と答えたのは16.3%。ちなみに1998年に行った調査では49.0%だったので、この14年間で32.7ポイントも減少しました。もちろん男性だけでなく、女性も大きく減少しています。

四元:誰かと付き合うとなれば、それなりに気もつかうし、お金もつかう。「恋愛コスト」ってかかるわけですよ。この恋愛コストは昔も今もあまり変わりませんが、今は「この人と付き合えばどんないいことがあるんだろう?」という恋愛価値を感じにくくなっているのではないでしょうか。だから「めんどくさいなあ」と感じてしまう。

 今の若い人は「個人の尊厳」を重視する教育を受けてきました。親はあまり怒らない、先生もあまり怒らない。否定された経験が少ないので、彼氏や彼女にフラれることに対する抵抗力が弱いのかもしれません。

 心理学で「認知的不協和」という用語があります。「これをしたい、でもできない」という状況のときに、人間はがんばってなんとかしようとする。その結果、できたとする。このことを「認知的協和」と言います。

 その一方で、どれだけがんばっても、できないことがあります。その状態のことを「認知的不協和」と呼びます。人間はできないことがあれば、したいことを引き下げようとする。そのとき自分にウソをつくんですよ。「本当はオレ……こんなことしたくないんだけど」などと自分にウソをついて、本心を抑圧する。そうすれば「こんなことをしたくない」と「実際にやらない」――この2つのバランスがとれるので、その人にとってはハッピーなわけです。バランスがとれなければ、ストレスを感じるわけですから。

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