震災とタブレットが変えるメディアの未来遠藤諭の「コンテンツ消費とデジタル」論(1/4 ページ)

» 2012年05月02日 08時00分 公開
[遠藤諭,アスキー総合研究所]
アスキー総研

「遠藤諭の『コンテンツ消費とデジタル』論」とは?

 アスキー総合研究所所長の遠藤諭氏が、コンテンツ消費とデジタルについてお届けします。本やディスクなど、中身とパッケージが不可分の時代と異なり、ネット時代にはコンテンツは物理的な重さを持たない「0(ゼロ)グラム」なのです。

 本記事は、アスキー総合研究所の所長コラム「0(ゼロ)グラムへようこそ」に2012年4月20日に掲載されたコラムを、加筆修正したものです。遠藤氏の最新コラムはアスキー総合研究所で読むことができます。


 前回、アスキー総合研究所の消費行動やメディア・コンテンツに関する1万人調査「MCS 2012」の集計結果をもとに、日本人のメディア利用が2011年に大きく変化したことを紹介した。「テレビの1日平均視聴時間」の大幅な減少、「PCからのネット利用時間」と「携帯電話利用率」の普及以来初めての減少、そして、「スマートフォン」と「タブレット」の利用率の増加などだ。

 →「スマホの普及&テレビ離れで、戦後最大のメディアイス取りゲームが始まっている

 同時発生していることから「戦後最大のイス取りゲームが始まっている」と書いたが、前回の記事中の図では見えにくい2つのポイントについて触れておきたいと思う。1つは東日本大震災に関することで、もう1つはタブレットの市場についてである。

 東日本大震災に際して、メディアの果たした役割はさまざまな形で報じられている。震災直後の連絡手段や情報収集、その後の被災地の支援に関係する情報、原発の是非に関する議論なと、新旧のメディアで多くの人たちが活躍された。そしてこうしたことは、震災が日本のメディア全体に対して影響を与えることでもあった。

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