株式会社ENNA代表取締役。「人的リスクマネジメント」をキーワードとして、内部統制対応の人事コンサルティング、IT統制対応の人材派遣、メンタルヘルスのカウンセリングを提供している。
上場企業やその子会社・関連会社向けの「社内規程の見直し」を支援していると、「規程というものは社内業務を硬直化させる厄介なものだ」と理解している企業が多いことに気付かされます。
「ルールでがんじがらめにすることは不利益になる」と指摘されることも少なくないのですが、本当にがんじがらめにするほど社内ルールを作りこんでいるのかというと、実際はルールを作るとそれに従い「創造的なことができなくなる」という思いこみであるケースも少なくありません。
規程を作る時に、業務プロセスと関連する法令を結びつけて構成しているのであれば確かにそうなのですが、実際には何らかの必要性に従い、規程サンプルをそのまま導入していることが多いため本当の「規程」の意義についてはあまり検討がなされることはないのかもしれません。
ここでお伝えしたいことは、規程に定めるべきは、確かに社内ルールではあるのですが「硬直化させるミニマムなマネジメント(マイクロマネジメントのような好みとは異なるもの)のネタ」ではなく「変更管理の約束事」であるということです。
グローバルな事業展開を行うにしても、国内の縮小する市場で事業を拡大するにしても、変化していく環境に対して、適宜、柔軟な事業戦略が求められます。
しかし、この事業戦略が本当に実行可能なものなのか、ビジョンやミッションのような計画に基づかない「想い」のレベルなのか、事業計画まで落とし込まれて変更すべき事項が発生しているものなのかを明確にしなければなりません。
そして、これらを実行に移す際には「違ったこと」をやらなければならない場合、その「違ったこと」を実行するためのルールが必要になります。この意義付けが「規程」の役割だと考えるわけです。
簡単に言えば、責任を取るべき人を明確にして、実行者を明確にして、その際に発生する「変更点」及び「変更プロセス」を会社のルールとして定めておくということになります。
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