下の写真をご覧になっていただければ分かると思うが、場所によっては原型をとどめていないほど崩れてしまっている。
この惨状を目にして思わず「中国人の活動家が壊したんですか?」と尋ねたが、仲間市議によると、台風や強い海風のせいだという。
なんにせよ、あれから4年の月日が流れ、崩壊はさらにすすんでいるはずだ。
なんて話を聞くと、「たかが古くさい石垣が壊れてるぐらいじゃねえか」と思うかもしれないが、実はこの「かつお節工場」こそが、中国からの「防波堤」になるのだ。
尖閣諸島の海域は波がかなり高い。それを言い訳に、あのあたりで領海侵犯している中国籍や台湾籍の漁船が、「乗員の安全のため緊急避難したい」と上陸する恐れがある。
それは裏を返せば、「自称漁民」の人民解放軍が上陸して、しれっとした顔で「掘ったて小屋」を建てることもできるということだ。
もしそんな事態になったら、都が所有しているとか、歴史的にうんたらと訴えても意味はない。例えば、かつて福建省の漁民が尖閣諸島付近で遭難し、魚釣島の漁民たちが救助した時、中国政府が「沖縄県八重山郡尖閣列島」と明記して感謝状を送った「史実」もあるが、中国側は無視している。
こうなると競売物件に居座るヤクザと同じで、漫画『カバチタレ』の世界でいえば「占有事実」がカギとなる。つまり、ここでは200人以上の日本人が暮らしていた住居跡や「かつお節工場」だ。上陸した「自称・漁民」は真っ先にこれを破壊するはずだ。
だから、そうなる前に一刻も早く文化財なりに指定して修復をし、きっちりと保存をする。今のままでは、破壊して「台風のせいだろ」とトボけられても我々には確認しようがない。
そんなの考え過ぎだ、と呆れるかもしれないが、現実に「かつお節工場」がなかったばっかりに、自国に「掘ったて小屋」を建てられた人々がいる。
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