コラム
» 2012年04月19日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:被災地にお金を回そう! 今も、これからも持続可能な支援 (1/2)

大震災から1年が経過したが、被災地ではお金が回らず、経済活動の血管は目詰まりを起こしたままだ。被災地の人を支援するために、私たちはどんなことができるのだろうか。細く長く……できることを紹介する。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

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1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 月初の当欄にて、被災地の苦悶は依然続いていると記した(関連記事)。仙台など一部の都市を除き、復興バブルとは無縁の被災地は高い失業率が続き、地元経済が停滞を続けている。今回は、微力ではあるが、筆者なりに現地を支援する方策を紹介する。個人の支援はか細いものだが、賛同してくれる人が増えていけば、被災地経済の下支えに寄与するとの思いを強くしているからだ。

仮設住宅の手仕事

yd_aiba1.jpg 1個1500円のコインケース。縫製は丁寧で、素材はウエットスーツを使用しているので頑丈だ

 3月、筆者は宮城県石巻市を訪れた。被災地の生の声を聞き、これを当欄で紹介するためだ。もう1つ、同地を訪れたのには理由があった。現地の友人とある契約を交わすためだ。

 契約とは、現地企業が仮設住宅に済む主婦たちと立ち上げた事業で、そこから生まれた製品を買うことだった。

 地元企業と主婦たちの取り組みは、さまざまなメディアに紹介された。参考までに、時事通信社の記事を添付する(参照リンク)

 当欄で何度も触れたが、石巻市の主力産業である水産業、関連加工業の多くはいまだに稼働していないところが多い。当然のことながら、雇用の受け皿が急減した結果、現地で生活する人たちは生活難に直面している。

 雇用のある地域に移転できる人は良いが、子供の学校、両親の介護などの問題で石巻から離れることができない人の多くは、日雇いやアルバイトでなんとか生活しているのだ。

 こうした状況は、こう言い換えることもできる。地元での雇用の受け皿が機能せず、不安定な収入で生活している被災者が多いことが、地元経済を冷え込ませたままにしている、という構図なのだ。

 筆者が購入したコインケースは、1個1500円。割高と感じる向きが多いかもしれない。ただ、縫製は丁寧であり、素材はウエットスーツで頑丈。他にもスマートフォンケースなども同じ素材で作られたものがある。この製品を買うことで、被災した主婦たちが確実に現金を得ることができる。行き先の分からない寄附が多い中で、確実に売上金が現地の人の手に届く、そう判断して筆者は100個をオーダーさせていただいた次第だ。

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