津田 東日本大震災によって、多くの人がソーシャルメディアの力を実感したことでしょう。物流が止まって新聞も届かない、テレビは発表報道ばかりという状況で、逃げるべきか、とどまるべきか、今ここにいる自分に必要な情報はマスメディアからは得られない。多くの人が頼りにしたのが、TwitterやFacebook、mixiの情報でした。
ソーシャルメディアの登場は、情報の量を爆発的に増やし、情報の流れを変えました。ではこの膨大なデータから、新聞には載っていない裏の話や、テレビのコメンテーターとは異なる多様な意見、特定地域の話題などを、どうやって集めればいいのか。
フィルターとなるのは、「人」です。「あの分野なら専門家の○○さんに聞きたい」、「△△さんの意見なら信頼できる」など、それぞれが人というチャネルを通じて、自分の欲しい情報を手に入れる時代になっているのです。
――メディアが多様化することで、デジタルデバイドが情報格差につながることはないのでしょうか?
津田 マスメディアだけにしか触れていない人と、ソーシャルメディアもうまく使いこなしている人とでは、確かに情報格差が生じるでしょうね。とはいえ、ネットだけ活用すればいいのかと言えば、それは違います。
僕自身の感覚では、ネットが3割、新聞や書籍などの文字媒体が3割、オフラインが4割くらいのバランスが良いですね。便利な世の中だからこそ、リアルな世界でFace to Faceのコミュニケーションを取ることも非常に重要だと思っています。
むしろソーシャルメディアによって、Face to Faceのコミュニケーションが劇的に変わったことに目を向けるべきです。
例えば数年ぶりに古い友だちと会った時、まずは一通り近況報告をしますよね。これがけっこうムダな時間だったりする。でも、もし日ごろからTwitterなりでお互いの日常をフォローしていれば、「この前、上司に怒っていたけどどうしたの?」といきなり本題に入ることができます。
つまり、ソーシャルメディアの活用が、オフラインでのコミュニケーション密度を高め、流れる情報量を掛け算で増やすのです。人間関係を構築する上で、互いの距離を一気に縮められるというのは、実はとてつもない革命だと思いますよ。
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