はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。
※本記事は、「Chikirinの日記」において、2010年8月6日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。
組織に所属する人は「組織目標にどれだけ貢献したか?」という視点で評価されます。
企業が売上100億円という目標を立てれば、部門目標はそれにそって決められます。営業部門は「組織全体で100億円の売上を達成するため、去年より販売数を2割アップ!」という目標を立て、開発部門は「組織全体で100億円の売上を達成するため、競合品と差別化できて値崩れしない新商品をボーナス商戦までに開発する!」という目標を立てるわけです。
その後、目標はさらに分解され、個人目標が立てられます。営業部門のA課長は「営業部全体で去年より2割たくさん売るために、オレは○○社と○○社と○○社に○台ずつ納入するぞ!」みたいな目標を立てます。
このように「組織目標→部門目標→個人目標」と分解され、組織に所属する全員が自分の目標を達成すれば、部門目標が達成され、最終的には組織目標が達成されることになります。
組織における人事評価とは、こういった「組織目標のために各人に課せられたミッションを、その個人がどの程度、達成できたか」を評価するものです。
この仕組みでは、組織は常に個人より優先されます。個人は給与という対価を得て、組織目標に貢献することを求められ、「自分のやりたい仕事ができるか」「スキルが身に付くか」などは二の次です。
それがたまたま個人にとっても楽しい仕事であったり、結果としてスキルが付くことはあるでしょうが、優先順位が逆転することはありません。
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