SEの仕事は昼も夜も関係ない。大学を出たてのころは仕事場で徹夜しても明け方4時ごろに会議室のイスを4つつなげて2時間くらい仮眠をすれば“復活”できた。しかし最近は疲れがとれない。以前は3人1チームでやるような大きなプロジェクトも1人で任されることも多くなった。先輩たちの中には、その過酷な仕事環境に耐え切れず、転職していく人もいた。
Bさんは30歳を過ぎてから目と肩と背中、腰が常に痛くて朝起きれない日が続いた。1日中、PC画面に向かっているので、苦痛なほど肩こりがするのだ。
それでも無理をして仕事をしていると、今度は頭痛がしてくる。そして会社に2日続けて会社に泊まったとき、いつもと違う頭痛に襲われた。これまでと違う痛みに焦ったBさんは、会社の近くにあるクリニックで脳ドックを申し込んだ。
脳ドックの結果は、幸い異常はなかった。また血液検査や血圧にも問題はなかった。ひとまず安心したが、気になる頭痛が根本的に解決したわけではなかった。医師からは同じ姿勢でいること、また運動不足で血流が悪くなるのでそれを改善するように言われた。運動が苦手なBさんはスポーツはできないので、仕事場で1時間に1回肩を回すようにしたら少しだけ肩こりが良くなった気がした。
ある夕方、Bさんは「今夜もまた徹夜になりそうだ」と思った。憂鬱(ゆううつ)な気持ちをリセットしたくて行きつけのドラッグストアに足を運んだ。顔見知りのスタッフの人が声をかけてきた。「最近顔色悪いですよ。お疲れですね」
Bさんは答えた。「肩こりや首のこりからか、頭痛がひどくて、脳ドックを受けましたよ。お医者さんから血行をよくするように言われているのですが……」
「Bさんのお風呂はシャワーだけですよね。ゆっくり湯船に浸かって肩や首を回してください。それと私も肩こりですがこのネックレスが良いですよ」と白衣の胸元を指さして言った。
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