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» 2012年04月11日 08時01分 UPDATE

これからのことがよく分かるコラム:ゆとり教育で育った世代は、本当に仕事ができないのか (1/4)

「若手社員が思うように育たない。その原因は“ゆとり教育”にある」と思っている人もいるだろう。しかしこの考え方は、本当に正しいのだろうか。原因は学校教育にあるのではなく、バブル崩壊以降の働き方の変化にあるのかもしれない。

[桑原正義,Business Media 誠]

これからのことがよく分かるコラム:

 ビジネスパーソンにとって、情報は大きな“武器”のひとつだ。しかし「新聞、雑誌、テレビ、ネットなどで情報を仕入れているのに、いまひとつ世の中の動きがよく分からない」という人もいるだろう。

 もちろんメディアが悪いのではなく、ましてやそのビジネスパーソンの感度がにぶいわけでもない。現在の状況を分析し、次にどういったモノがやって来るのか――といった情報に触れていないのかもしれない。

 「これからのことがよく分かるコラム」では、“今と次”にスポットを当てた。今、何が起きているのを知り、次に何が来るのかを推測する。そうした情報を自分の肥やしにして、仕事力をアップさせようではないか。


 「若手社員が思うように育たない」「早期離職者が増えている」「メンタル不全者も増加傾向にある」――。

 これら新人・若手に関する三重苦といえる問題を抱える企業が確実に増えています。コンサルティングに携わる私たちの分析では、2005年頃からこの問題が増え始め、今や企業規模や業種に関係なく、あらゆる企業で発生している共通問題だと認識しています。

 では、原因はどこにあるのでしょうか? また、どのような対策が効果的なのでしょうか?

 原因としてよく挙げられるのが、「ゆとり教育」です。これは本当でしょうか。

 この考え方には大きなリスクがあるように思えます。ゆとり教育は、学力面への影響がよく話題になりますが、職場で課題となるのは学力以外の部分。確かに、教育の影響は大きいかもしれませんが、教育というのは学校だけで成り立つものでもありません。何か問題がすり替えられているように感じざるを得ません。

 私たちは、実際の職場の方々に会ってこの問題を分析し、対策を一緒に進めていますが、同じようなすり替えが職場内でも起こっています。新人・若手問題の原因を尋ねると、人事担当の方は「これだけ苦労して採用しているのに、現場は育てる意識が希薄なんじゃないか」と言います。苦労して採用し導入教育を施した自負があるから当然の考えでしょう。

 一方その職場の上司や先輩に尋ねると、「最近の新人はなっていない。もっと教育をしっかりしてから配属してほしい。そもそも採用が間違っているのではないか」という声が多いですね。これも余裕のない今の職場環境を考えれば、やむを得ない発言でしょう。

 しかし冷静になってこの現象を見ると、何か感じませんか? 私は、ここに新人・若手の育成問題がうまく進まない落とし穴があると考えています。育成に関わる人事担当者や上司・先輩たちが、みな誰かの責任にしようとして自分ごと化していない。つまり「他責の構造」に陥っているのです。

 誰も心の中では自分の課題だと思っていない状況で、研修や採用基準見直しなどの施策を施しても、魂の入ったアクションにはならず、形だけの遂行になるのは目に見ています。

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