ソーシャルゲーム界の雄、国光宏尚氏の世界制覇シナリオNew Order ポスト・ジョブズ時代の新ルール(1/4 ページ)

» 2012年04月06日 08時00分 公開
[取材・文/瀬戸友子 撮影/桑原美樹,エンジニアtype]

「New Order−ポスト・ジョブズ時代の新ルール−」とは

『エンジニアtype』が創刊1周年を記念して贈る特別企画。スティーブ・ジョブズが遺したイノベーションを進化させ、新しいスタンダードを生むために乗り越えるべき壁とは何か? 新たな価値創造にのぞむ各界の大物10人が、時代の新ルールのあり方について語る。


 アプリ販売モデルによって、ネット上でのコンテンツビジネスのあり方を変革したアップル。日本ではアイテム課金方式をとるソーシャルゲーム市場が花盛りだ。

 数あるソーシャルゲーム企業の中でも、注目の急成長ベンチャーgumiを率いる国光宏尚氏は、「日本には圧倒的なアドバンテージがある」と断言し、今まさに世界へ打って出ようとしている。果たして日本のソーシャルゲームは、世界のゲームコンテンツビジネスを変えてしまうのか?

国光宏尚(くにみつ・ひろなお)

gumi社長。1974年、兵庫県生まれ。私立岡山高校を卒業後、中国、チベットなどのアジア諸国、北米、中南米など約30カ国を放浪。1996年に中国の復旦大学、2000年に米Santa Monica Collegeに入学。2004年、アットムービーに入社し、同年に取締役に就任。映画・テレビドラマのプロデュース及び新規事業の立ち上げを担当した後、2007年にgumiを創業し、代表取締役に就任


将来的に世界で3、4兆円規模の市場が生まれてくるかも

―― さらなる成長が期待されるソーシャルゲーム市場ですが、国光さんはそのポテンシャルをどう見ていますか?

国光 ソーシャルゲーム市場は、チャンスに満ちた魅力的な市場だと思います。日本国内でもたかだか3、4年の歴史しかないのに、そろそろ4000億円規模になろうかという勢いで成長している。過去を振り返っても、これほどのスピードで市場が急拡大した産業はほとんどなかったでしょう。

 家庭用ゲームソフトの場合、世界における日本の市場シェアは10〜15%と言われています。仮に4000億円が世界シェアの10〜15%になったとして計算すると、将来的に世界で3、4兆円規模の市場が生まれてくるかもしれない。

 もちろん、根性だけで世界一になれるほど甘くはありません。でも僕たちは、本気で世界を獲りに行きます。ソーシャルゲームはそれだけ挑戦しがいのある市場ですし、まさに今、日本には追い風が吹いているからです。

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