コラム
» 2012年04月05日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:“節目”は過ぎても、被災地の苦悶は変わらず……報じられないトラブルも (1/3)

大震災から1年が経過したが、被災地はどうなっているのだろうか。3月下旬、筆者の相場氏は宮城県石巻市を訪れた。そこで目にしたものは、メディアが報じないトラブルだった。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 先に当欄で、「東日本大震災から1年」を伝える大手メディアの在り方について触れた。マスコミが勝手に設定した「1年」という区切りに疑問を投げかける内容だ。実際に、被災地はどうなっているのか。3月下旬、筆者はごくごく短時間ではあるが昨年から定期的に足を運んでいる宮城県石巻市を訪れた。やはり想像していた通り、現地では「1年」という区切りはあくまでも通過点であり、被災した人々の苦悶が続いていた。

廃車を載せたトレーラー

 東京から自家用車で、筆者は東北道から三陸道を経て石巻に向かった。仙台から三陸道に入ると、重機や工作機械などを載せた工事関係の車両が急増し、幹線道路は渋滞を始めた。

 三陸道の石巻インターが近づくにつれ、反対車線である石巻市方向からの車両の中に、特定の積載物が目立つようになった。

 フロントガラスやボディーに◯印を付けた廃車だった。石巻だけでなく、三陸の沿岸各地の市町村では大量の廃車が生まれた。言うまでもなく、津波の被害に遭った車両だ。被災地では到底処理し切れない数がいまだに廃車置き場に置かれている。

 筆者が目にした廃車たちは、1台の大型トラックに2〜3台が積み込まれていた。大型のトレーラーではこれが4〜5台となる。昨春から継続的に同様の光景を目にしていたが、正直まだこの作業が続いているのかとハンドルを握りながら痛感した。

 石巻、あるいは他の沿岸地域の廃車置き場に何台の車両が残っているのかは把握していないが、廃車の処理一つをとってみてもまだまだ被災地の苦悩が続いていることの証左だと考えた

yd_aiba1.jpg 岩手県陸前高田市の廃車置き場(撮影:2011年7月)
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