新しい職場で“地雷”を踏まないコツ(2/3 ページ)

» 2012年04月04日 08時00分 公開
[木田知廣,INSIGHT NOW!]
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人間のタイプは4つだけ?

 ただ、この手の話をすると、「4つのタイプの分類って、ずいぶん『粗い』なあ。人間のタイプは4種類だけじゃないわけだし」なんてコメントが返ってくることがありますが、それはそれで正解。

 ただ、あまりにもタイプ分けが多すぎると、「えーっと、この人は16に分けたタイプのうちのどれだろう? えーっと……」と実践するのが難しくなるので、4つに分ける方法論をお勧めしているのです。

 従って、さらなる細かいタイプ分けが知りたい人には、ソーシャル・スタイル以外の分類法もチェックしてはいかがでしょうか。

 例えば「モチベーション・マトリックス」は、その人のやる気の源泉が「感情にあるか、理屈が通っていることにあるか」「意識の向く先が外部か、内部か」の2軸による4分類です。

  • 理性重視−外部→損得勘定
  • 理性重視−内部→規範意識
  • 感情重視−外部→承認欲求
  • 感情重視−内部→好悪感情

 これまた、タイプによって話の持っていき方を変えた方がコミュニケーションを上手にとれるのは容易に想像できるでしょう。

 例えば、「損得勘定」が強いタイプの人には、相手にとってメリットになることを前面に出せば、「ふんふん」と話を聞いてくれそう。

 ところが、同じ話を「規範意識」が強いタイプ、要するにモノゴトが「正しいか、正しくないか」で判断するタイプにしたら、思わぬ地雷を踏みそうです。「キミは何を言っているのかね。ビジネスというのは、損得よりも顧客の創造に最終的な目的があってだねえ。そのためにお客さまの満足度が……」なんてことになりそうです。

相手がピンポイントで分かる「組み合わせ」

 そして、この4タイプの分類法は、組み合わせて使えるところにミソがあります。

 というのは、モチベーション・マトリックスは「動機の源泉」という人間の価値観の深い部分に基づく分類ですが、ソーシャル・スタイルは、その名の通り「ソーシャル=他者とのつながり」、つまり比較的表面的なコミュニケーションの取り方によって分類しているからです。ということは、これを組み合わせれば相手の分類の精度は飛躍的に高まることになります。

 同じ「損得勘定が強い」タイプの人に話す時も、野心的(driving)なソーシャル・スタイルをとる人にはこういう話し方を……、開放的(expressive)なソーシャル・スタイルの人には別の話し方を……と使い分けられるということです。

 気付けば、4タイプ×4タイプ=16タイプのかなり細かい分類ができて、これならば相手に合わせたコミュニケーションがやりやすそうです。ちょうど4月ということもあり、移動や転職、あるいは就職で新しい職場で働き始めた方も多いことでしょう。思わぬ地雷を踏まずに、良好な人間関係を築きたいという際にお役に立てください。

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