連載
» 2012年03月30日 08時02分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:「青春18きっぷ」廃止の噂はなぜ起きたか (1/4)

 「青春18きっぷ」は利用者にとってもJRにとってもメリットのある商品だ。だから廃止されるなんてありえない、という話を前回は書いた。青春18きっぷ廃止の噂とはどんなものか、よく見聞きする話を検証してみよう。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 「青春18きっぷ廃止」――このきっぷには、そんな噂がついてまわる(関連記事)。その噂の根拠は共通して「JRグループが青春18きっぷを嫌っている」という憶測だ。例えば「青春18きっぷは安すぎて、正規運賃のきっぷが売れない(はず)」「青春18きっぷ利用者が特定の人気列車に殺到するためクレームが出ている(はず)」「相互乗り入れ路線などで、JRと第三セクターなどの区別がつかず無賃乗車するなどのトラブルがある(はず)」「きっぷのルールを知らない利用客に現場が迷惑している(はず)」などである。

 いかにもありそうな話であり、ネットの掲示板などでは鉄道職員として本音を吐露したという雰囲気の書き込みも見受けられた。匿名だから本当に職員かどうかは分からない。もし本当に鉄道職員なら、その鉄道会社は社員に対してコンプライアンス教育を徹底したほうがよさそうだ。とはいえ、これらの話は「いかにもありそうなこと」で、噂として広まるには十分な力を持っている。しかし前回、私が述べたように、根拠があいまいで、しかも匿名の現場の声くらいでは、年商60億円の青春18きっぷはなくならない。

yd_sugiyama0.jpg 青春18きっぷ
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集