3点挙げてみる。
阪神・淡路大震災では固定電話がダメだったが、普及間もないケータイは通じた。今回はケータイもダメ。ネット、特にTwitterやmixiなどソーシャルメディアが活躍した。インターネットは核戦争を想定して設計したもの。パケット通信の威力が初めて実証された。
では今後どうする。デバイスはマルチになる。通信・放送ネットワークも融合する。全国的に安全で柔軟なネット環境を構築する必要がある。地デジ後、融合後の新しいメディア環境を改めて設計しよう。
日本は震災の国だ。米国が核戦争に備えIT関連の研究開発を進めたように、日本は自然災害に立ち向かう技術を研究開発し、実装し、強い国土を建設すべきだ。
震災直後からテレビ番組をNHK、TBS、テレ朝、フジなどキー局がUst中継した。海外の人たちもリアルタイムで日本の状況をテレビ番組×ネット中継で眺めた。Ustreamの世界ユーザーがその後2週間で5000万人から1億人に倍増したという。
海外のメディアが日本を賞賛する報道も目立った。暴動も強奪もなく、電車を2列で待つ、冷静で毅然とした日本。こうした等身大のありようがクールジャパンの源だ。そうした姿を改めてコンテンツとして発信していきたい。日本の力を見せ付けるチャンスでもあった。しかし、その後の原発対応のグズグズで、日本のイメージは悪くなり、観光客も激減した。
正確な情報をさまざまなチャンネルで発信する態勢が要る。ヒマな政治家はみんな海外にプレイアップしに行け! 海外メディアを買うなりチャンネルを押さえたりするほか、日本語サイトの多言語翻訳も進めたい。
今回、被災地でソーシャルメディアが役に立ったといっても、高齢者への普及率はまだ低い。でも、使えたらもっとみんな安心して対応できたはず。もっとITが場所や世代を超えて使えるよう環境を整えること。すなわち、情報格差の是正、情報リテラシー教育の充実。
被災地では、63万冊の教科書が流されてしまったという。カルテが流されて必要な薬が分からなくなったりしている人も多いと聞く。そんなものはコンテンツをデジタル化し、クラウド化しておけばよい。これは被災地対策ではなく、全国の情報化策として手当てしておくべき問題だ。
そういう利用面の対策もコンテンツ政策として強力に乗り出すべきだ。
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