1500坪の超大型店、ユニクロ銀座は成功するか?郷好文の“うふふ”マーケティング(1/3 ページ)

» 2012年03月29日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 私のユニクロ初体験は10数年前、ある都心郊外店。当時はかなり広く感じた。それでも200坪くらいだろうか。掘り出し物もあったし、何しろ安い。だが、一方で「こんなものか」とも思った。そんな思い出をぶっ飛ばしたのが、話題のユニクロ銀座店。

ユニクロ銀座店

 「日本ではユニクロはディスカウント(安売り)店という昔のイメージが残っている。銀座店を通じ、世界を代表する衣料品ブランドとアピールしたい」(柳井正会長兼社長が記者会見で)

 “世界代表のユニクロ”の開店4日目(3月19日)の夜、行列は銀座中央通りに伸びていた。思いの外、早く入れたのは回転率がいいからか。1階はウエルカム・ゲート、中央部にコーディネートテーマを表現するマネキンがずらり。左手にもフロアを代表する商品がマネキン展示され、奥のカラフルなモーション・イルミネーションがエレベーターで上階へと誘う。

 銀座店はどんな旗艦店なのか? 5000平方メートル(約1500坪)の大型店を巡ってみよう。

マネキンがお出迎え

巧みなフロア構成

 2階と3階はメンズとウィメンズの季節モノ、4階はウィメン、5階はメンズのカジュアルフロアで、カップルなら2〜5階を行ったり来たりして比較購買できる。どの階でも精算OKなので、買い物バッグを持ってうろうろできるのもありがたい。

 7階のキッズ&ベビーでは、店舗正面のプラレールの陳列が楽しい。“鉄”ならぬ“プラ”Tシャツには父母祖父母、思わず手が出る。企業コラボがうまいのもユニクロならでは。

キッズ&ベビーコーナー

 さて、ユニクロ銀座店は12層もある。グローバル店舗の心斎橋筋店でさえ4層、どこもワンフロアがせいぜいで、多くても数フロア止まりのユニクロでは異色の店構え。銀座=高地価の立地特性、三井不動産とギンザコマツが開発した東西2棟ビルの1棟借りという事情はあるにせよ、タテに長い大型店でお客さんをどのように回遊させるか? 検討に検討を重ねたはず。

 というのも「大型=高収入・高利益」とは限らないからだ。

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