非モテ男、電源ガールに出会う【出会い編】プリウスPHVでモテる?(2/3 ページ)

» 2012年03月14日 08時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

ところであなたは誰ですか、このクルマは何ですか

充電作業は簡単。ソケットを差し込むだけなので誰でもできる

 「えー、えええ、えっと、名前聞いてもいいかな……その、話しにくいんで」かわいい女の子の笑顔を見たホリウチくん、緊張したのかややどもりがち、しかもなんだか挙動不審にクネクネしている。

 「私の名前?……んー、電気をもらいにきたんだし、電源サンとでも呼んでくれれば」

 別に嫌ではなさそうだが、なんだかそっけない返事。むむっ、本名は教えたくないということか……。女の子が突然現れたのもびっくりだが、電源と名乗るのにもびっくり、いきなり人の家から電気をもらって充電しはじめたのにもびっくりだ。ホリウチくんは心の中で、彼女を「電源ガール」と呼ぶことにした。

 「えーと、じゃぁ……ででで電源ちゃん、これは電気自動車なのかな?」

 「これは『プリウスPHV』というプラグインハイブリッドカーなの。電気自動車といえば電気自動車なんだけど……あ、そういえば、あなたの名前、聞いてなかった。なんて呼べばいい?」「ほ、ほりー……」「ん? 何?」「……ホリウチです」

 「ホリウチくんね。ええと、ハイブリッドカーは乗ったことある? プリウスとか」「ないです」「じゃあ、電気自動車は?」「ないです(そもそもクルマを運転したことがないです)」「なるほど」

 女の子はちょっと息を吸い込むと、長々と説明を始めた。「ハイブリッドカーっていうのは、動力を2つ持っているクルマのこと。ガソリンで動くエンジンと電気で動くモーター、この2つの動力ね。原理的には、速度がゆっくりな間は電気で(モーターで)走って、ある程度速度が出てきたらガソリンエンジンに切り替えて走るわけ。そうすることで、普通のガソリンエンジン車よりグッと燃費が良くなって、ガソリンを使う量も減らせるし、排気ガスの量も減らせるの」

 「なるほど。じゃあハイブリッドカーは、ゆっくりなスピードでしか走らないなら、ガソリンを入れないでも、モーターだけで走り続けられるってこと?」

 「そう……と言いたいところだけど、残念。違います。ハイブリッドカーは、ガソリンを給油できるけど、外から電気を直接充電するわけにはいかないの。ゆっくりなスピードで走り続けたら、いつかモーター用の電気がなくなってしまうでしょ? 回生エネルギーといって、例えばブレーキを踏むときとかにエネルギーを回収してモーター用の充電池にため込みながら走るんだけど、基本的には普通のクルマと同じく、ガソリンを入れないと走らないの、ハイブリッドカーは」

プリウスPHVは、近所を走るときは電気自動車(EV)として、遠出をするときはハイブリッド車として走れるクルマなのだ

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