なぜ本稿で小学生向け新聞を取り上げたのか。
毎日、膨大な量のニュースがさまざまな媒体で読者に届くはずだが、この中身を平易に解説してくれる媒体は案外少ない、というのが筆者の抱く率直な感想なのだ。
元NHKの池上彰氏のニュース解説がウケている一因は、大手メディアの伝える情報の大半が、平易かつ分かりやすいという視点を決定的に欠いているからに他ならない。
筆者の家庭には、小学6年生の息子がいる。3年前から朝日小学生新聞を購読し、息子だけでなく、筆者自身も解説記事の巧みさにうなってきた。
同紙や他の新聞が発行する子供向け媒体は決して安価ではない上、受験対策塾の広告が多いなど多少の問題点はある。しかし、先に触れたように「ニュース解説」の巧みさには、それぞれの本紙でもかなわない力量がある。
各地の図書館には、子供向けにそれぞれの媒体を常備しているところが多い。一度チェックしてみる価値はある、と筆者は強くお勧めする次第だ。
また、新聞やテレビ、あるいは雑誌の編集業務に携わる若手記者、あるいはライターにも小学生新聞は「ためになる」情報が満載だ。子供向けに書く、すなわち分かりやすく、かつ短い文章のお手本が、子供新聞にはつまっているのだ。
子供だけに読ませるのはもったいない。大人が読んでも十分に楽しめる新聞、改めてお勧めする。
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