住宅指標などを好感して底堅さも見られる清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月28日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9647.38▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12981.51▼1.44

<NASDAQ>2966.16△2.41

<NY為替>80.59▼0.60

目先的な過熱感やG20会合への失望感から冴えない展開だが、住宅指標などを好感して底堅さも見られる

 目先的な過熱感が強いことやG20会合でIMF(国際通貨基金)への資金拠出の合意が先送りとなったことなどから売り先行となりました。それでも、午前中頃に発表された仮契約住宅販売指数に改善がみられたことやダラス連銀発表の製造業景況感指数も改善したことなどが好感されて堅調、心理的な節目となるダウ平均の13000ドルを上回っての推移となりました。ただ、欧州金融不安もあり、積極的に買い上がるというよりは利益を確保しようという動きが強く、指数は冴えない展開となりました。

 節目とみられる水準で指数の上値は重いのですが、堅調な地合いには変わりないようです。欧州問題が取りざたされても売り急ぐような場面もなく、経済指標の改善には素直に反応するというようにセンチメントは上向き楽観的な見方も出ていると思われます。懸念されていた住宅関連の指標にも堅調なものが目立ち、個人消費などを並んで、今後米国景気を牽引することが期待されます。金融緩和が継続していることで信用収縮懸念が薄れていることも堅調な要因となっていると思われます。

 個別には日本のエルピーダメモリの会社更生法適用申請で注目されたマイクロンテクノジーは業界再編の流れが期待されて大幅高、住宅市場の底入れから好調な決算を発表したロウズが堅調となりましたが、ホーム・デポは利益確定売りに押されて軟調となり、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど景気敏感株も軟調なものが多くなりました。G20会合へ失望感はみられたのですが、欧州金融不安などが一段落となっていることからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株も総じて堅調となりました。インテルやアップルは堅調ですがIBMなどは軟調となるなどハイテク銘柄もまちまちで、市場全体に方向感はみられませんでした。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の海外での円安などを好感して買い先行となったのですが、円安一服となったことや目先的な過熱感から手仕舞い売りも嵩んで最後は軟調となりました。幕間つなぎ的に小型銘柄に高いものがみられ、ハイテク銘柄などで売られすぎた銘柄の買戻しも入っているのですが、先駆して戻した銘柄や買戻し一巡となった銘柄などが売られさえない展開となりました。

 米国株はまちまちで方向感はなかったのですが、円高が進んだことやエルピーダメモリ(6665)の会社更生法適用の影響で軟調な展開となりそうです。目先的な過熱感が強いなかでいったん手仕舞いを急ぐような売りも嵩んでくると思われます。ただ、基調は強含みと思われ、好業績銘柄が期待される銘柄、円安メリット銘柄などを中心に押し目での買いも期待され、底堅さはみられると思います。幕間つなぎ的に小型銘柄で値動きの良い銘柄や低位株で業績の裏づけのありそうな銘柄などが物色されると思われます。急騰後の調整で、どこまで下押すのか見極めたいという動きもあって、底堅さはみられても戻りは鈍いのではないかと思います。

 指数は昨日の陰線で「かぶせ線」というような格好となり、本日の寄付きが安いといったん「天井」となる可能性が出てきました。騰落レシオやRSI、ストキャスティックスなどを見ても過熱感が強く、9500円〜600円水準での底堅さを確認するような調整、あるいはその水準を割り込んで9200円〜300円水準の節目までの調整となるのではないかと思います。基調は強含みなので、円高が止まるようであれば案外底堅さも見られると思います。

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