週末の手仕舞い売りもあってまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月27日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9647.38▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12982.95▼1.74

<NASDAQ>2963.75△6.77

<NY為替>81.19△1.21

好調な経済指標の発表から買い先行となるも週末の手仕舞い売りもあってまちまちの展開

 朝方発表された新築住宅販売件数が予想を上回り、消費者態度指数も速報値から情報修正となったことなどから買い先行となりました。ただ、原油価格の上昇もコスト増要因として懸念する見方や週末の手仕舞い売りに押されて軟調となるなどまとまちの展開となりました。原油高も金融商品として見た場合にはリスク許容度の上昇として好感されるのですが、単純に商品として見た場合には個人消費などへの影響も懸念されるということなのだと思います。

 それでも、好調な決算を発表するものや強気の見通しを示す企業も増えており、足元の業績がしっかりと拡大、見通しも徐々に楽観的になっているようです。週末の手仕舞いも売り急ぐようなこともなく、先安懸念から売られるというよりは利益確定売りという感じです。ドル安メリットを享受した後のドル高方向に進むなかで、個人消費や住宅などの内需の動向に敏感に反応するようになって来るのではないかと思います。今度はQE3(量的緩和)を期待するというよりはインフレを懸念する動きも出て来るのかもしれません。

 個別には赤字決算を発表したJCペニーが軟調、ギャップなども連れ安となりましたが、住宅指標が好転したということでホーム・デポやウォルマートはしっかりと個人消費への懸念ということでもありませんでした。週末の手仕舞い売りに押されてHP(ヒューレット・パッカード)やGE(ゼネラル・エレクトリック)、キャタピラーやフォード・モーターなど景気敏感株が軟調となりました。それでもインテルやアップル、IBMなどハイテク銘柄は総じて堅調、欧州金融不安が一段落となったのですが、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株は軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円安にもかかわらず目先的な過熱感や週末の手仕舞い売りに押されて冴えない始まりとなりました。寄り付きは前日の終値水準で始まり、上値を試すような場面もあったのですが、上値の重さを確認すると方向感のない展開となりました。後場に入ってから持高調整の買いもみられて指数を押し上げ、最後は買戻しを急ぐ動きもあって高値引けとなりました。手掛かりに乏しい中で値動きの良さから買われると言うものが多いような感じでした。

 週末の米国市場はまちまち、日本市場は堅調となっていたことから上値の重い展開となりそうです。ただ、為替がさらに円安に振れたということもあり、輸出企業を中心に買い直しの動きもみられそうで、堅調な地合いは続くと思われます。1ドル=80円、1ユーロ=110円ということになると、これまで慎重にみていた1−3月期の業績でもさらに上振れとなるものも出てくるのでしょうし、来期の業績に対しても上振れ期待が強まると思われます。内需企業や幕間つなぎ的に買われていた銘柄などは上げ一服となるものもみられるのでしょうが、全体的な水準訂正の動きの中で値持ちの良さもみられると思います。

 9500円〜600円水準での値固めも早くも終わりつつあり、次の節目を目指す動きになりそうです。10000円の大台に一気に上昇するには目先的な過熱感もあり、いったんは9800円〜900円水準で上値を押さえられるような展開になると思われます。例年2月後半から3月中旬までに波乱も多く、今年もいったん円高にあや戻しがあって、売り直されるなどということもあるのかもしれませんが、当面は円安傾向にあることが好感されての水準訂正の動きが続くのだと思います。

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