コラム
» 2012年02月27日 07時59分 UPDATE

藤田正美の時事日想:財政危機を回避するために……政治家に必要なこととは? (1/2)

日本に限らず、政治の漂流が経済の停滞につながっている事例が世界中で見られる。財政危機を回避するために、政治家がやるべきこととは何なのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 戦後の日本で初めて本格的な政権交代を果たした民主党。しかしどうひいき目に見ても、この歴史的な転換点で民主党が国民の期待に応えて合格点を確保したという評価をすることはできない。せいぜい「自民党が政権に居座っていたらきっともっとひどいことになっている」と擁護するぐらいが関の山だ。

 もっとも政治が漂流しているのは日本ばかりではないし、政治の漂流が経済の停滞につながっているのも日本だけではない。欧州はすったもんだの末、ギリシャへの第2次支援が決まった。ギリシャへの支援は結局のところEU(欧州連合)、IMF(国際通貨基金)、それにECB(欧州中央銀行)が担うことになった。

 しかしこの議論の過程で、「ギリシャのような働かない国に対して、なぜ勤勉なドイツが支援しなければならないのか」という反発が表面化したのである。そうした反発が背景にあるため、メルケル首相は直接的にドイツの負担になるような支援策については強硬に反対してきたのである。

 ドイツのメルケル首相と手を携えて欧州危機に対処してきたフランスのサルコジ大統領は、一定の成果をあげたにもかかわらず、4月に控えた大統領選挙で苦しい戦いを強いられている。「付加価値税を増税しても企業負担の低減によって雇用を増やせる」として5年前に当選したにもかかわらず、フランスの失業率は10%に張り付いたまま。若者の失業率はほぼ4人に1人というありさまだ。

ah_huzita1.jpg 失業率の推移(出典:社会実情データ図録)

 米国は失業率も低下傾向になり、住宅価格にも下げ止まりの気配が見える。消費者信頼感指数も市場の予測より高くなった。この傾向が続けば、オバマ大統領の再選の可能性が高くなる。

 しかし、景気を回復させるために政府が財政支出を増やしてきた代償もまた小さくはない。今年度(2011年10月〜2012年9月)の財政赤字は1兆ドルを超える。政府の債務上限額を引き上げるという法案が連邦議会で承認されなければ、政府の一部部局が閉鎖されるというほど、財政は綱渡り状態だ。景気が上向いてきたから何とか「言いわけ」ができるが、もし失速でもすれば共和党の「ばらまき批判」が力を増す。オバマ大統領は「富裕層増税を打ち出し、中間層を厚くする」と言うが、それは一歩間違えばポピュリズムの道でもある。

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