予想を上回る住宅指標や雇用情勢の改善傾向を確認して強含みの堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月24日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9595.57▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12984.69△46.02

<NASDAQ>2956.98△23.81

<NY為替>79.98▼0.28

予想を上回る住宅指標や雇用情勢の改善傾向を確認して強含みの堅調な展開

 朝方発表された新規失業保険申請件数は前週と変わらず、予想を下回ったことから足元の雇用に対する不安も薄らぎ、引き続き雇用の改善がみられることや、欧州金融不安も薄れていることなどから堅調となりました。FHFA(米連邦住宅金融庁)が発表した住宅価格指数が予想を上回ったことも景気が着実に改善しているとの見方を強めたことも買い要因となっていました。ただ、目先的な過熱感もあり、また、心理的な節目となっているダウ平均の13000ドルを意識して利益確定売りも嵩み上値の重い展開となりました。

 世界的な景気鈍化懸念も薄れており、企業業績、個人消費に対する見通しも楽観的な見方も増えており、強含みの基調は続くと思われます。一方で目先的な過熱感や買われすぎを示す論評も目に付き始めており、調整気分も強まってくると思われます。それでも、景況感の改善はみられ、いわゆる金融相場から個人消費の改善などを伴う業績相場への移行がしっかりと行われるのではないかと思います。

 個別には芳しくない決算とリストラ策を発表したシアーズはリストラ策が評価されて大幅高、同様に減益発表となったのですが、予想を上回る見通しを発表したターゲットは堅調となり、コールズは減益に加え、慎重な見通しを発表したことから大幅安となるなど決算に絡んで小売株が大きく動きました。住宅指標の好転もあってホーム・デポは高く、ウォルマートは利益確定売りに押されて軟調となりました。景気鈍化懸念が薄れていることからアルコアやGE(ゼネラル・レクトリック)、キャタピラー、フォード・モーターなど景気敏感株は揃って堅調、インテルは利益確定売りに押されて軟調となったもののアップルやIBMなどハイテク銘柄も高くなるものが多くなりました。住宅指標の好転や欧州金融不安が薄れていることから信用不安懸念も薄れ、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株も総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が軟調となったのですが、円安となったことから軟調ながらも底堅い始まりとなり、前場に底堅さを確認し、後場に過熱感からの上値の重さを確認するような展開となりました。それでも、買い方の回転が効いており、新興市場なども軒並み堅調、大幅高となるなど、目先的な過熱感が強い割には買い気も旺盛という感じでした。出遅れ感が強い銘柄などが物色されており、そろそろ上値の重さも気になりだしているような雰囲気でした。

 米国市場は堅調、為替も米ドルは上げ一服となったもののユーロは堅調となっており、日本市場も少なくとも売り急ぐ動きにはならず、底堅い堅調な展開となりそうです。目先的な過熱感もあり、いったん手仕舞いを急ぐような動きになると軟調となる場面もあるのでしょうが、円高基調も変わり、欧州金融不安も、世界的な景気鈍化懸念も薄れているなかで、今後は企業業績の上振れ、慎重な見通しの見直しなどが注目されるのでしょう。ただ、本日は堅調な展開を続けてきた週末ということあり、手仕舞い売りに押される場面もありそうです。主力湯移出銘柄などは利益確定売りに押される可能性も高く、幕間つなぎ的に値動きの良い低位株などが物色されるのではないかと思います。

 9500円〜600円水準でのもみ合いとなっています。基調は強含みで底堅い展開、9500円〜600円水準での値固めと考えても良いのだと思います。さらに上値を試すにはさらに円安となるか、企業業績見通しが円安に振れたことで上振れを示すという必要がありそうです。欧州金融不安が薄れて、世界的な景気鈍化懸念が薄れているので基調は強含みと思われますが、まだまだ節目での上値の重さを嫌気して手仕舞い売りに押される場面もあると思われます。9200円〜300円水準の節目をあっさりと抜けてきただけに逆にその水準を試す場面もまだあるのかもしれません。

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