橋下市長のメール調査を例に出しましたが、他にも「信頼」が出来ていないせいで、生産性を低下させている例はいろいろありますよね。
新しいシステムのことはまったく分からないので数億円単位の案件には首突っ込まないくせに、既存の物流のことは数万円単位の「ちょっとした改善案件」でも「本当に効果があるのか」という担当外からの意見が先へ進めることを止めたり……。
Web全体のことなんて全然分かってないのに、1000ページある全サイトをリニューアルしようとした時、自分が関係する「1ページの一部分」だけ見て「ここは前のママの方が“絶対に”いい。止めてくれ」という意見が進ちょくを遅くしたり……。
部下を信頼していないから、何でも自分でやって部署の生産性を高めることができなかったり。他部署を信頼していないから、各部署の細かなこと(かつ、これまで経験があるため、自分自身に知識があること)にまで首を突っ込んだり(これは大人数の会議、特に最高意志決定機関でやられると、とっても生産性を落としますね)。
組織を信頼していないから、「根回し」「調整」と言う言葉への嫌悪感ばかりが先に立ち、気付いたら勝手な持論(そして「聞こえのいい正論っぽいこと」)を展開するばかりで周りの協力を得られず、それを自分のせいとも思わず、組織を通じてのパフォーマンスをまったく発揮できなかったり……。
上司を信頼していないから、上司に提出した案件を、毎日のように「あれ、どうなりました?」と聞き、上司を怒らせ、部署内の雰囲気を壊したり……。
お客さんを信頼していないから、サービスを説明する時、自分中心の言葉になり、結果お客さんに理解されるまでとっても時間がかかる話し方になったり……。
いろいろ思い当たる節、ありませんか? そして過去に自分自身も、同じことをやった体験はありませんか?
冒頭で、東大合格者のみなさんの話を持ち出しました。彼らはまだ10代。親からいろいろ言われ、(気持ち的に)信頼できなかった時期もきっとあることと思います。
でも、合格者は、最後には「感謝」という言葉に行き着いています。僕にはこう見えます。「難しい課題に挑戦する人(組織)は、自分で極限まで頑張る上に、ほかを信頼することで、最高の生産性を生んでいるんだ」と。(寺西隆行)
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