<日経平均>9554.00▼11.68
<TOPIX>772.77△2.92
<NYダウ>12938.67▼27.02
<NASDAQ>2933.17▼15.40
<NY為替>80.26△0.54
目先的な過熱感も出ているなかで、中古住宅販売件数が予想を下回ったことや欧州での芳しくない経済指標を受けて手仕舞い売りを急ぐ展開となり、軟調となりました。大統領の減税の提案などが好感されて堅調となる場面もあったのですが、芳しくない決算を発表して売られるものもあり、いったんは利益を確保する動きとなりました。それでも、世界的な景気鈍化懸念が薄れていることや欧州金融不安も一段落となっていることもあって、売り急ぐようなこともなく、下値ではしっかりと買いも入り底堅い展開でした。
いったんは手仕舞い売りに押される展開となったものの基調は強含みです。中国や欧州の景気の回復がはっきりと見えているということでもなく、まだ疑心暗鬼なのでしょうが逆に金融緩和期待も根強いことから売り急ぐ展開とはなり難いのだと思います。米国でも好調な経済指標はみられるもののFRB(連邦準備理事会)は引き続き慎重に見てQE3(量的緩和)には含みを持たせている状況であり、下落の始まりと言うよりは調整の一環と言うことだと思います。
個別には住宅市場の回復はみられるものの足もとの業績が予想外の赤字となったトール・ブラザーズが大幅下落、IBMは堅調となりましたが、インテルやアップル、アマゾン・ドットコムなどハイテク銘柄、インターネット関連銘柄などが手仕舞い売りに押され、欧州での景気鈍化が懸念されたことやギリシャの格下げを受けてシティグループが大幅安となり、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースも軟調となるなど金融株は軒並み軟調となりました。それでも、足元の景況感が悪化したということでもなく、景気敏感株も手仕舞い売りに押されて総じて軟調となるなかで、キャタピラーは中国の金融緩和期待もあって堅調、金や原油の先物価格が高いことからエクソン・モービルやパブリック・ゴールドなども堅調となりました。
昨日の日本市場は目先的な過熱感もあり、上値の重い展開でしたが、中国のPMI(購買担当者景気指数)が芳しくなかったことで金融緩和継続が期待されたことなどから買戻しを急ぐ動きもあって一時大幅高となりました。上値の重さを何度も確かめるような場面もあったのですが、売り急ぐこともなく値持ちの良い展開でした。外国人もさすがに買い一巡感もありましたが、売りに転換するということでもなく、新たな市場参加者がみられるということでもないのですが、買い方の回転も効いて出遅れ銘柄などを物色する動きもあって堅調となりました。
米国市場は軟調ですが底堅く、為替も円安が進んでいることから日本市場は堅調な展開が期待されます。為替水準がさらに円安に振れると「円高になるから」ということで売られていた、買われていなかったものの修正に加え、1−3月期の決算での収益上振れも期待できるものも出てくると思います。輸出企業も円高対策として海外での事業拡大などを図っていますが、まだ輸出依存には変わりなく、収益回復・拡大期待が出てくると思います。手仕舞い売りに押されているものの反発などが引き続き期待できることに加え、売られていなかった銘柄の水準訂正なども期待できると思います。
9500円〜600円水準をなかなか抜けませんが逆に上値の重さを嫌気するような動きにもなりません。ただ、さすがに目先的な過熱感もあり、円安を好感しての買い一巡感も出てくると思います。売られ過ぎの修正が終わったと考えて、次の展開としては幕間つなぎ的に買われ指数が小動きとなる、あるいは指数に影響の少ない出遅れ銘柄などが買われるということになるのでしょう。引き続き9500円〜600円水準での値固めということだと思われます。
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