コラム
» 2012年02月22日 07時59分 UPDATE

松田雅央の時事日想:アラーフ! 厳格なドイツ人が、ハメを外すお祭り (1/3)

ドイツの3大カーニバルといえば、ケルン、マインツ、デュッセルドルフで行われる。多くの日本人は「ドイツ人=厳格」といったイメージがあるかもしれないが、カーニバルだけは別。今回の時事日想は、羽目を外したドイツ人の一面を紹介しよう。

[松田雅央,Business Media 誠]

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 クリスマスが過ぎ、年越しの大騒ぎが収まると、ドイツは退屈で憂鬱(ゆううつ)な季節に入る。観客が去った劇場のような寂しさだ。日本の1月は門出の月として希望に満ちているが、ドイツの新年にそれほどの高揚感はない。

 その代わり2〜3月にかけて行われるカーニバルは大いに盛り上がる。まだまだ寒いが、長い冬の終わりを間近にして溜まった鬱憤(うっぷん)が爆発するのだろう。ドイツではケルン、マインツ、デュッセルドルフが3大カーニバルとして有名だ。

yd_matuda1.jpg カーニバルの1週間、ケルンの街は仮装と酒宴で盛り上がる

アラーフ!

 カーニバル(謝肉祭)は、食事を節制し慎み深い生活を送るキリスト教の節季「四旬節」の前に行われる。四旬節の前に思いっきり飲み食いし、羽目をはずしてバカ騒ぎを楽しむのがカーニバルの一面だ。年によって開催日は移動し、2012年は2月16日に始まり22日の「灰の水曜日(四旬節の初日)」に終わる。

 歴史を遡るとカーニバルはギリシャ・ローマ時代に起源を持ち、酒と女と歌でディオニューソス(豊穣とブドウ酒と酩酊の神)とサターン(ローマ神話に登場する農耕神)を奉る春の行事だった。またゲルマン人が春の到来を祝い神への忠誠を誓う古い祭りに由来するとも言われている。それらが後にキリスト教と結びつき、カーニバルが生まれたとされる(参照リンク)。

 加えて、昔は冬にとれる野菜は限られ貯蔵食が主だったから、春に向けて「今あるものを腐らないうちに食べてしまおう!」という時期にも重なった。四旬節の節食期間を前に思いっきり飲み食いしたいという、まことに人間臭い風習でもある。

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