米国市場が休場となるなかで手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月21日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が休場となったことで方向感のない展開となりましたが、後場に入って手仕舞い売りが嵩むと売り急ぐ動きもあり、下げ幅拡大となりました。為替は落ち着いており、目先の手仕舞い売りに過ぎないのでしょうが、目先的な過熱感も強かったことから売り急ぐ展開となったものと思います。ただ、幕間つなぎ的に昨日まで売られていた銘柄や物色圏外とされていたような銘柄に買いが入るものもみられ、底堅さもみられました。地合いが好転し、円高が止まったことには変わりないということで、「買える」銘柄を探しているということだと思います。

 先週の日銀の金融緩和と物価目標設定えを好感してとりあえず買い戻し一巡感も出ていると思われます。ただ、目先的な過熱感や買戻し一巡感はみられてもそれでもまだ安いという銘柄も多く、大きな流れが変わったとすれば、買われていない銘柄や売られた銘柄がここで見直されてくる動きはあってもおかしくはないということだと思います。大きな流れを見て投資をする人でも、慌てて出て行こうとする向きもいるようですが、「まだ買える銘柄」と「もう買えない銘柄」、「押し目を待ちたい銘柄」などがあると思われ、これらをしっかりと見分けることが必要ではないかと思います。

 同じ業種の中でも、今日はまちまちとなっているものも見られます。例えば海運株などは大手海運株は高いものの中堅、小型の海運株は反応が鈍く、建設株も大手建設株は高いのですが、幕間つなぎ的に復興関連として買われた銘柄などには冴えない動きも目立ちます。「まだ買える」という銘柄を探しながら「売り」のタイミングを計っているというような感じで、後場寄り直後に特に材料のないなかで先物に振らされて大きく買われてすぐに売られるというような乱高下となるなど、先高期待がある一方で目先的な過熱感が強いというような印象でした。

 こうした方向感に悩むときは「動いた方に大きく動く」ということが多く、ここからは波乱含みではないかと思います。周りを見ながら動くような投資家や投機家が多いので、特に材料のないなかで仕掛け的な動きなどに敏感に反応してしまうのだと思います。明日以降も、そうした仕掛け的な動き、先物のまとまった売り買いやまとまった持高調整の売り買いに振らされることになるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤

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