駅内の店舗と言えばキヨスクと立ち食いそば、というのは今や昔の話。2000年代に入り、その集客力を目当てに、本屋からブランドショップ、理容店までさまざまな業態が出店するようになり、大きな駅では商店街のようなエリアが生まれていることも。そんな駅ナカビジネスの裏側に迫ります。
主にJRグループの駅構内にある小型売店として、長年親しまれてきたキヨスク。しかし、実は今、非常に収益性が厳しくなっていることをご存じだろうか。
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小売業の平均粗利率※は一般に30%をベンチマークとしている。しかし、キヨスクの主要商品は「たばこ」「雑誌」「新聞」で、たばこの平均粗利率は約10%、雑誌の平均粗利率は約25%なので、小売業の平均を下回る。
加えて、雑誌や新聞の売り上げはインターネットなどでの情報配信の影響で毎年約10%ほどずつ低下しており、全体の売り上げもそれに伴い年々減少しているのである。それは次図で示す、JR東日本リテールネットのキヨスク事業の年間売上高推移からもお分かりになるだろう。
小売業として商品を販売し、利益を得ることができない業態となりつつあることから、新たなビジネスモデルが模索されている。その流れの中で登場してきたアイデアが、店舗壁面を“広告媒体”として販売するというものである。
次画像のように、ポスターや看板を掲示するのが基本的なモデル。ポスターや看板は多くのターゲットに情報を告知するのが役割であるため、多くの通勤・通学客が通過する駅構内のキヨスクは非常に有効な媒体なのである。キヨスクとしても、この掲示料金は売上として計上されるので、損益計算書上の粗利率が向上することになる。
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