ギリシャ問題の進展期待などから堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月20日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9384.17▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12949.87△45.79

<NASDAQ>2951.78▼8.07

<NY為替>79.52△0.62

週末の手仕舞い売りに上値は押さえられつつもギリシャ問題の進展期待などから堅調な展開

 朝方発表された消費者物価指数は予想を下回ったものの、「コア指数」は予想通りということで特に材料視されることもありませんでした。ギリシャ問題も追加の金融支援に問題はないとの見方が強まったことから欧州金融不安も薄れ、世界的な景気拡大を期待するかのように堅調な地合いとなりました。ただ、目先的な過熱感が強いことや週末の手仕舞い売りもあって上値も限定的、ナスダック指数は小幅安となりました。

 足元の景気拡大が実感として出てきているのではないかと思います。ドル安メリットを享受している割には、原油価格などが堅調な割には物価も落ち着いており、今後は内需拡大ということでドル高容認となってくるのではないかと思います。ドル高の中でも内需が拡大することで景況感の好転は続くものと思われ、株式市場も商品市場も堅調な地合いが続きそうです。

 個別には利益確定売りに押されるものも多く、アップルやグーグルなどハイテク銘柄の一角が軟調、キャタピラーも小幅安となりました。世界的な景気鈍化懸念が薄れたこともあり、インテルやIBMなどのハイテク銘柄、GE(ゼネラル・エレクトリック)やフォード・モーターなど景気敏感株も総じて堅調となりました。欧州金融不安が薄れたことで、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株も堅調、原油価格が堅調なことからエクソン・モービルなど石油株も高くなりました。四半期決算が予想を上回ったハインツや1株利益が予想を上回ったキャンベル・スープも高く、慎重な見通しを示したゼネラル・ミルズは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円安を好感して週末の手仕舞い売りをこなして大幅高となりました。円高が止まったということで、輸出株を中心に水準訂正の動きが続き、持ち高調整の買い戻しを交えながら総じて堅調となりました。物色対象が絞られているというよりは、リスク許容度が高まり、持ち高調整の買いも多かったのだと思います。指数が押し上げられることでさらに買い戻しや持ち高調整の買いが入るという状況で大幅高となりました。

 週明けの日本市場も週末の米国株も引き続き堅調となったことや円安がさらに進んだこと、中国の預金準備率の引き下げを受けて引き続き買い優勢の展開となりそうです。持高調整の買い戻しを急ぐ動きやオプションに絡んでのヘッジの先物買いなどに指数を押し上げられる場面も出て来るのだと思います。買い戻し一巡感が出てくるのかどうか、円安一服となるのかどうかなどが注目されますが、出遅れ銘柄を物色する動きや輸出株の買い戻しや買い直しが続くと思われます。

 いったんは9200円〜300円水準での底堅さを確認する動きになったものの、あっさりと節目を抜けて次の節目である9500円〜600円水準を目指す動きになりそうです。ただ、今度こそ本当にさすがに目先的な過熱感も気になるところで、円安が一服となると9500円〜600円水準では上値も重くなると思います。本日は9500円前後では上値も重くなると思われ、いったん動きが止まると改めて目先的な過熱感や上値の重さを確認することになるのでしょう。

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