コラム
» 2012年02月17日 08時02分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:トラックに負けた、貨物列車の残念な歴史 (1/5)

地方鉄道の衰退に歯止めがかからない。再生のカギは貨物輸送にあると思うが、そのシステムは古い。鉄道事業者だけでなく、国や物流業界も知恵とカネを出して、物流改革に取り組むべきではないだろうか。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 世界で鉄道へのモーダルシフト(※)が起きている。旅客輸送は飛行機から高速鉄道へ。貨物輸送は船舶やクルマから貨物列車へ。今回は貨物列車の話だ。ちょうどこんなニュースを目にした。

※モーダルシフト:クルマや飛行機から省エネ・低公害の鉄道や海運へと転換し、鉄道・海運とトラック輸送を組み合わせた輸送を推進すること。

 時事通信Web版によると、イスラエル政府は地中海沿岸と紅海沿岸を結ぶ鉄道を建設する構想があるという。スエズ運河の船舶郵送を補完、野心的に言えば代替するつもりのようだ。

yd_sugiyama01.jpg イスラエルの鉄道計画。青い線がスエズ運河。赤い線が計画路線(既存の鉄道路線を主要道路沿いに延長したと筆者が想定)

 一方、中国新華社ニュースの日本語版を配信する毎日中央経済Web版によると、中部アフリカのカメルーン共和国は、2040年までに全国を結ぶ鉄道網を整備する計画を発表した。カメルーンは農産物や鉱物の輸出に力を入れているが、一方で道路事情は良くないという。ドゥアラ港をアフリカの中心的な貿易港として発展させていくために、各国と結ぶ鉄道網が重要だと考えているようだ。

yd_sugiyama02.jpg カメルーンの鉄道。青い線が既存路線

 これらのニュースは、地域も事情も違うけれど、モーダルシフトというキーワードで関連付けられる。

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