買戻しを急ぐ動きや大きな流れの変化とみて買い急ぐ動きもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月15日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は底堅く堅調となり、為替も円安傾向にあったことから買い先行となり、寄り付きの買いが一巡となったあとでも底堅さが確認されると先物を中心に買戻しを急ぐ動きもあって大幅高となりました。後場になってからも買戻しの動きは続き一気に節目とみられる8200円〜300円水準まで上昇、大幅高となりました。ここまで一気に上昇するだけの材料がでたということではないのですが、これ以上円高が進まないという印象から買い戻しを急ぐ動きとなって、オプションのヘッジの先物買いなどもあったものと思われます。

 「想定外」ということばが流行りましたが本日の上昇もまさしく想定外の上昇ではなかったかと思います。昨日の動きや欧米市場の動きをみているとここまで一気に上昇すると言う気配もなかったのですが、これまで「円高だから」といって押さえられていたものが一気に噴出したかのように大きな上昇となりました。「まだはもうなり、もうはまだなり」ともいえますし、もみ合いを抜ける時というのはえてしてこういた動きになるものだとは思うのですが、それにしても今後は一気に「行き過ぎ」という水準までの上昇となりました。

 昨日の日銀の発表、金融政策の方向性をはっきりと示したことで「大きな流れ」が変わったことは確かなのでしょうが、一気にここまで上昇するというのはいつもこのコラムで述べているように「呆れ果てたる値」が付いたということなのだと思います。行き過ぎは必ず元に返るということではあるのですが、今度は節目とみられる9200円〜300円水準での一気に値固めと言うことになるのかもしれません。

 目先的な過熱感があり、本日が高値となって目先的には調整となる可能性もありそうですが、大きな流れは変わったのではないかと思われ、これまで為替も含めて、「高くなったら売っていれば儲かる」ということにはいかなくなってくるのかもしれません。昨日も述べたように、明らかにデフレ脱却に向けて動き始めたということだと思われ、少なくとも「安心して売り」難くなってくると思われます。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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