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» 2012年02月15日 17時35分 UPDATE

仕事をしたら“消費者”が見えてきた:エキナカ自販機の売上が、伸びている理由(前編) (2/6)

[土肥義則,Business Media 誠]

笹川:下の図を見ていただけますでしょうか? このホームには4台の自販機が設置されていました。しかしホームを工事することになり、(4)の自販機が撤去された。(4)が撤去されたので、近くにある(3)の自販機の売り上げが2倍になるのかなと思っていたら、ほとんど変わりませんでした。

yd_drink4.jpg

 そして工事が終わり、(4)に再び自販機を設置しました。すると(4)の売り上げは工事が始まる前に戻り、(3)の売り上げについては横ばいのまま。それまで私たちは(3)と(4)の自販機は近くにあるので「商圏は同じ」だと思っていました。しかしその考えは間違いでした。つまり(3)と(4)の商圏は、全くの別モノ。自販機の商圏はものすごく狭く、お客さんは飲料を買うために、遠くにある自販機まで歩いて行かないことが分かりました。

土肥:ほうほう。

笹川:次に売店が閉鎖されるということで、(5)の場所に新設しました。しかし近くにある(3)の売り上げが大幅に下がり、「(3)+(5)=以前の(3)」という結果に終わりました。

土肥:ということは(3)と(5)の商圏は、同じだったというわけですか?

笹川:その通りです。階段や売店といった障害物などがあれば、そこで商圏が別れてしまう。なので商圏ごとに自販機を分散して置くように提案し、設置してきました。その結果、売上増につながりました。

 私たちはこのような仮説を立てています。「『飲料を買いたいなあ』と思ったとき、自販機が遠くにある。しかし消費者は導線を変えてまでも、買いに行かない」と。スーパーやコンビニといった店舗では違うかもしれませんが、自販機で買うためにわざわざ遠くには行かない、と推測しています。

 このほか自販機の向きを変えただけで、売り上げが伸びたケースもありました。例えば、線路と平行して設置してある自販機、見たことありますよね。

土肥:よく見かけます。自販機2台が背を向けて並んでいることも。

笹川:もちろんホームの広さや人の流れもあるので、そのように置かなければいけない所もあります。しかしそれを直角に置く。例えば、階段を登ってホームに着けば、自販機が目に入るようにする。そうしただけで、売り上げが1.3倍になったケースもありました。

yd_drink1.jpg 線路に平行して、背合わせに並んでいる自販機

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