ギリシャ財政緊縮策可決を素直に好感、信用収縮懸念が薄れて堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月14日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8999.18▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12874.04△72.81

<NASDAQ>2931.39△27.51

<NY為替>77.57▼0.02

ギリシャ財政緊縮策可決を素直に好感、信用収縮懸念が薄れて堅調な展開

 ギリシャ議会で財政緊縮策が可決されたことが好感され買い先行となり、堅調な展開となりました。欧州の金融の混乱からの世界的な景気鈍化懸念や信用収縮懸念が薄れ、商品相場も反発、景気敏感銘柄や金融株などを中心に総じて堅調となりました。景気鈍化懸念が薄れていることから改めて足元の好調な業績などを見直す動きもあり、利益確定売りをこなして上値を試す動きになりました。ただ、材料出尽くし感もあってユーロが軟調となったことなどから上値も限られ、大幅高という水準までは買われませんでした。

 景気鈍化懸念が薄れ、センチメントも上向いてはいるのですが、ギリシャ問題の一段落などは既に織り込まれていた面もあり、ユーロが売り直されるなど堅調ながらも波乱含みとなっています。ただ、欧米などの自国通貨安メリットも好感するような展開になれば、欧米企業の業績見直しなどにつながり、株高となってくるのだと思います。今後も中国など新興国の景気動向や経済指標の発表に振らされながらも堅調な地合いが続きそうです。

 個別には世界的な景気鈍化懸念が薄れたことでアップルが大台乗せとなり、グーグルやインテルなども堅調となるなどハイテク銘柄が総じて堅調、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株が総じて堅調となりました。欧州金融不安が薄れたことでバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースも堅調となりましたが、シティ・グループは手仕舞い売りに押されるなど、ギリシャ問題の一段落も織り込まれていた面もありそうです。信用収縮懸念も薄れ、原油先物が堅調となったことでエクソン・モービルやシェブロンは高く、金先物が軟調となったことでパブリック・ゴールドなど金鉱株が軟調となりました。目先的な過熱感から利益確定売りに押されるものもみられ、ウォルマートは堅調となったのですが、ホーム・デポは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の反動から堅調となりました。ただ、先物主導で指数がしっかりとしたという状況で、先高期待が強まったとか、懸念材料が払拭されたというわけでもなく、9000円水準を意識しただけという感じでした。物色対象も定まらず、目先の値動きの良さに乗る動きはみられるものの、買い疲れ感もあり、上値を積極的に買い上がる要因もないことから上値も限定的となりました。先週末からのもみ合いの範囲での展開になっています。

 米国株高を受けて堅調な展開が期待されますが、いったん上昇したユーロが売られたことから日本市場は底堅いながらも上値の重い展開となりそうです。先週後半からの動きのように指数は方向感に乏しい展開となるのだと思います。物色対象が絞り切れず、値動きの良さに飛び乗るような展開は続くのだと思いますが、指数の上値は重いと思います。ハイテク銘柄など輸出関連銘柄は売られた銘柄を買う動きにはなるのでしょうが、改めて上値を買い上がるようなこともなさそうですし、幕間つなぎ的な出遅れ銘柄、値動きの良い銘柄を物色する動きが続くのだと思います。

 目先的には先週後半からの上値目処となっている9000円台前半、先物でいえば9010円、9020円という水準を抜けてくるのかどうかで雰囲気も変わりそうです。まだ8800円〜900円水準の下値を試しにいくような雰囲気であり、本日も改めて上値の重さを確認するようであれば、調整となる可能性が高いと思われますが、ユーロが再度買われるような展開になる、あるいは日銀金融政策決定会合で何らかのシグナルが見られるということでもないと、上値の重さを確認することになると思います。

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