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» 2012年02月13日 19時01分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:若者が正規雇用に就けない社会の行く末とは (3/3)

[ちきりん,Chikirinの日記]
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若者に“公共事業”を!

 ではどうすればいいのでしょう? ちきりんは、こういう時こそ“公共事業”が必要だと考えます。民間企業はそういう人を雇う余裕がありません。市場のルールでは生きていけない層をバックアップすることこそ、公的部門の仕事なのです。

 これまでは中高年の失業対策として、大量の“箱モノ工事”に予算が付けられてきました。これからは公共事業で若者を大量に雇い、「その仕事に数年従事すれば、若者が民間企業に評価してもらえる労働実績を得られる」ような機会を、大量に提供すればいいのです。

 ちきりんが一番疑問に思うのは、若年者雇用対策として“面接指導”とか“履歴書の書き方指導”が行われるという話です。企業は、面接や履歴書の書き方がうまい人を求めているわけではありません。仕事の経験や具体的な実績がある人を求めています。

 例えば、地方公共団体や、霞が関の外郭団体のホームページ作成を“定職経験のない人”にやらせてみてはどうでしょう? そういった団体の広報目的のWebサイトなら、少々デキが悪くても問題はありません。

 Webサイト作成のスキルのある人(プロジェクトマネージャー)1人とトレーナー1人に、定職経験のない若者10人を雇って、マネージャーが具体的な指示を出し、指導しながら、作業はすべて彼らにやらせるのです。そうすれば彼らは履歴書に「○○団体のホームページを作成」と書くことができるようになります。

 年金の取り立て業務や、公共調査のためにあちこちに電話をする仕事、また、市民からの問い合わせを受ける電話作業にもそういう人を雇って、仕事の仕方を教えながら経験を積んでもらえばいいのです。

 そうすれば民間企業の「集金業務」や「テレマーケティング」「コールセンター」の会社に履歴書を出す時に、アピールできる職務経験が手に入ります。

 スキルや経験のないまま職を探している人に必要なのは、面接の練習やカウンセリングではなく、“数年の定職経験”であり、市場で需要の高い(日本人しかできない)仕事の具体的なスキルです。

 特に不況期には“訓練が必要な人”“経験のない人”の採用は民間企業にとって、大きな負担です。そういう時にこそ、公的部門の出番のはずなのです。

 そんじゃーね。

著者プロフィール:ちきりん

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兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」。

 現在、前横浜市長の中田宏さんとの対談「ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か」が連載中です。

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