ギリシャ問題に振らされながら好調な業績発表もあり、底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月09日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9015.59▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12883.95△5.75

<NASDAQ>2915.86△11.78

<NY為替>77.03△0.30

引き続きギリシャ問題に振らされながら好調な業績発表もあり、底堅い堅調な展開

 朝方はギリシャ問題に進展がみられると伝えられたものの、目先的な過熱感もあり利益確定売りに押される場面もありました。ただ、好調な決算発表も見られ、底堅さが確認されると赤い戻しを急ぐ動きや改めて買い直すような動きもみられて総じて堅調となりました。上値では引き続き利益確定売りも嵩みましたが、値持ちの良い展開となりました。まだまだギリシャ問題など欧州金融不安が払拭されたわけではないので上値を買い上がるということもありませんでしたが、基調は強含みとなっています。

 ギリシャ問題などに引き続き振り回されているような感じで、本気で腰を据えて買い上がるというような雰囲気でもないのですが、安いところは買っておこうというようにセンチメントが好転していることで下値不安も薄れていると思われます。ただ、目先的な過熱感も強く、好調な決算を発表しても冴えない動きとなるものなどもみられました。基調は強含みですが、欧州金融不安や目先的な過熱感が波乱要因となりそうです。

 個別には1月の既存店売上高が好調と伝えられたマクドナルドは買い先行となったものの利益確定売りに押されて軟調、赤字幅が拡大したと発表したスプリント・ネクステル(通信)も売られました。増収増益決算を発表したタイムワーナーは小幅高、増益決算を発表したウォルト・ディズニーも堅調となりました。引け後の決算発表で好調な決算を発表したシスコシステムズも堅調でしたが時間外取引でも買われています。欧州金融不安がさらに薄れたことで金融株が総じて堅調、シティグループやバンク・オブ・アメリカは大幅高、JPモルガン・チェースも堅調となりました。インテルやアップル、IBMなどハイテク銘柄も高く、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株も利益確定売りに押されて上値は重いものの堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを受けて買いが先行、寄り付きの買いが一巡となった後は上値の重い場面もみられましたが、為替が円安傾向となったこともあり、底堅さを確認して心理的な節目である9000円水準を抜けて高値引けとなりました。最後は持高調整の買戻しなどもみられたのだと思われますが、オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑などもあり、9000円の攻防となりました。

 本日の日本市場は米国市場が底堅く堅調となったことや為替が落ち着いていることから、底堅い堅調な展開となりそうです。朝方発表される機械受注などに反応する場面もあり、また、明日の先物・オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑からの先物の動きなどに振らされる場面もあるのでしょうが、悲観的な見方も薄れており、基調は強含みとなりそうです。ただ、指数自体に目先的な過熱感が出ていることや芳しくない業績を発表しながら買戻しを交えて買われた自動車株やハイテク銘柄は過熱感や買戻し一巡感から上値も重くなるのではないかと思います。出遅れ感が強い輸出関連銘柄などの水準訂正は期待されると思われます。

 9000円を超えて来ましたが、盛り上がりに欠ける中での上昇、指数だけが上がったというような印象です。昨年10月末のように一時的なもので終わってしまう可能性もありそうです。さらに円安に振れるようであれば、上値を試す動きになるのでしょうが円高に振れるようであれば、9000円をあっさりと割り込むことになりそうです。目先的な達成感もあり、売られたものが買われ、買われたものが売られるという展開で指数は小動きとなりそうです。

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