米国株は軟調だが底堅く、日本株も同様に軟調だが底堅い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月07日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が軟調ながらも底堅く、為替もいったん円高に振れる場面もありながらも落ち着いた動きとなったことから、若干売りが先行となりました。ただ、売り急ぐこともなく、外国人の方向感もみられず指数は小動きとなりました。物色対象も絞りきれないかわりに大きく売られるものもないという状況で、午後に入ってから若干下げ幅を拡大する場面もみられたもののそれでも売り急ぐこともなく、最後まで指数は小動きとなりました。売り買いともに一巡感となって、目先筋の売り買いが中心で方向感がみえ難くなっているのだと思います。先物の仕掛け的な動きも為替に動きがみられることもなく手掛かりに乏しいことで買い切れず、売り切れないということでしょう。

 売り急ぐ動きもみられず値持ちが良いといえば良いのですが、指数の方向感はみられませんでした。あくまでも目先筋の売り買いが中心ということで方向感がみられないのだと思います。朝方動きが見れるとその動きに乗る向きも多く、特に材料のないなかで大きな上昇や下落となるものも多いと思われます。ただ、そうした大きな動きが市場全体の動きとして影響を与えるようなこともなく、指数に方向感がみられないということでしょう。

 寄付きから15分後くらいの「売買高急増銘柄」や「寄り付きからの値上がり率上位銘柄」などをみて、動きのよさそうなものの飛び乗り、飛び降りるというような動きが出ているのだと思います。目先の値動きについていくことも良いのですが、手数料が安くなったからこそできることだと思います。インターネット証券の中には信用取引の手数料が無料などというところもあるようですが、「ただより高いものはない」というように、信用取引はその金利で稼いでおり、信用取引の残高が多くなれば証券会社の収益となるのです。

 毎日日中のうちに手仕舞いをするケースでもしっかりと信用取引の金利は払っているわけであり、その金利も案外嵩むのだと思います。信用取引での売りの場合は借り株のコストがかかる場合もあり、これもまた、注意が必要ということでしょう。本当に信用取引で売り買いをしなければならないのか、あるいは必ず信用取引で売り買いした場合はその日のうちに決済をしてしまうというような個人個人のルールを決めて行った方が良いと思います。ただ、漫然と相場なりに手を出してもいいのですが、見切り時や手仕舞いには十分に吟味してから手仕舞いが重要ということでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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