ギリシャ問題を嫌気して手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月07日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8929.20

<NYダウ>12845.13▼17.10

<NASDAQ>2901.99▼3.67

<NY為替>76.54▼0.01

手掛かりに乏しい中、ギリシャ問題を嫌気して手仕舞い売りに押されて軟調

 先週末の大幅高の反動から売り先行となりました。ギリシャ債務削減問題の決定が長引いていることなどを嫌気してユーロが売られる場面もあり、売り急がせる要因となったものと思います。決算発表も一段落となり、先週末の雇用統計など経済指標の好転、改善の余韻を引きずるように売り急ぐこともなく、手仕舞い売りに押されはするものの値ごろ感からの買いも入り、底堅い展開となりました。欧州金融不安が依然として懸念されるなかで目先的な過熱感もあり、戻り切らないという感じでした。

 世界的な景気鈍化懸念が薄まるなかで依然として欧州問題が尾を引き、ドイツや中国などが欧州を救うのか、欧州の金融不安からドイツや中国の景気を悪化させるのか見極めるという状況となっているようです。米国の景気鈍化懸念は薄らいでおり、目先的な過熱感からの日柄調整、あるいは値幅調整はみられても、下落トレンドとなるようなこともなく、景気回復がさらに鮮明になれば、買われるのでしょうし、欧州金融不安から景気鈍化懸念が強まるとQE3(量的緩和)期待も高まって、いずれにしても底堅い堅調な地合いが続くのだと思います。

 個別には2011年12月期決算で純利益が過去最高となる可能性が高いと新聞で報じられたGM(ゼネラル・モーターズ)が堅調、欧州金融不安からシティグループやJPモルガン・チェースなど金融株は総じて軟調となりましたが、バンク・オブ・アメリカは堅調となり、原油や金の先物が軟調となったのですが、エクソン・モービルやシェブロン、ニューモント・マイニングなどは堅調となるなど、買戻しを急ぐ動きもあったようです。アルコアやキャタピラーは軟調となったのですが、フォード・モーターやGE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調となるなど景気敏感株もまちまちとなり、インテルやIBMは軟調となったのですが、アップルやグーグルは堅調とハイテク銘柄もまちまちと総じて利益確定売りと押し目買いが交錯するような感じでした。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて買い先行となったものの、円高気味ということや外国人も株数は売り越し、金額は買い越しと相変わらず方向感に乏しく、寄り付きの買いが一巡となった後は上値の重い展開となりました。上値の重さを嫌気して下値を試すような場面もありましたが、売り急ぐ動きもなく、指数に方向感は見られず小動きとなりました。為替に振らされながらも動きは鈍く、決算動向に反応しつつも材料出尽くしとなったり、しっかりと反応したりとまちまちで、指数に方向感はみられませんでした。

 米国市場は軟調ながらも底堅く、為替も円高気味ではあるのですが、落ち着いており、日本市場も底堅い展開がみられると思います。ただ、積極的に買い上がるだけの材料にも乏しく、目先の値動きを追うような展開は今日も続くと思われます。為替が本当に落ち着くまでは、円高に対する懸念があるうちは上値も限られ、決算動向などに反応しても最後まで反応しきれないということだと思います。引き続き目先の需給要因で振らされる可能性が高く、買戻しが続けば昨日円高気味にもかかわらず買われていたハイテク銘柄の一角などはまだ戻りを試す動きとなるのでしょうし、幕間つなぎ的に低位株を物色する動きや値動きの良いインターネット関連銘柄などが物色されると思います。

 8800円〜900円の節目が抜けきれない格好となっています。やはり円高が止まるということが確信できない限り上値を買い上がるということでもないのでしょうし、逆に円高さえ止まるのであれば買われるような銘柄はここでは売り難いということだと思います。先行きに対して方向感を持って物色するような動きではないので、指数は引き続き小動き、8900円絡みの水準でのもみ合いとなりそうです。騰落レシオ(東証一部、25日)が120%を超え、日経ジャスダック平均が14連騰、二部株指数が15連騰となっており、目先的な過熱感も強く、8800円台固めのような日柄調整、8500円〜600円水準の節目を試すような値幅調整となるのだと思います。

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