手仕舞い売りやギリシャ問題の混乱もあって冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月03日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8876.82△67.03

<TOPIX>762.45△4.49

<NYダウ>12705.41▼11.05

<NASDAQ>2859.68△11.41

<NY為替>76.20

好調な決算発表や雇用指標の改善、欧州金融不安も薄れたのだが手仕舞い売りやギリシャ問題の混乱もあって上値も重く冴えない展開

 欧州金融不安に対して中国の支援が期待されることや前日の引け後のハイテク銘柄の好決算に加え、新規失業保険申請件数が予想を下回り、雇用の改善が期待されることから買い先行となりました。ただ、ギリシャ問題に混乱が見られることや週末の雇用統計の発表を控えて手仕舞い売りも嵩み上値重くなりました。好調な決算や経済指標がみられることで逆にQE3(量的緩和)期待が薄れるという面もあり、商品相場が軟調となったこともあり手仕舞い売りを急ぐ動きもあったと思われます。

 好調な決算に敏感に反応するような場面もあり、基調は強含みとなっていると思われます。QE3期待から買われた面もあるのでしょうが、足元の景気は決して悪いものではなく、「もし悪くなったらFRB(連邦準備理事会)が何とかしてくれる」ということで、景気が悪くても良くても株高につながるような感じです。SNS(交流サイト)運営企業の新規上場も話題になり、市場への資金流入が期待されることも関連銘柄の上昇などにつながり、相場を押し上げる効果が出ているようです。

 個別にはフェイスブックが上場を申請したということで関連銘柄が変われ、ジンガやグルーポンが大幅高となるなど関連銘柄が買われました。前日の引け後に2012年1−3月期の強気な見通しを発表したクアルコムが買われ、1月の既存店売上高が予想を上回って販売が好調と伝えられたコストコ・ホールセールが堅調、ギャップも既存店売上高が予想されたほど悪化しなかったことから買われ大幅高となりました。一方小売りのなかでは既存店売上高は増加したものの予想を下回ったノードストロームが軟調、業績が予想を大幅下回ったと発表したアバクロンビー・アンド・フィッチは大幅下落となりました。地合いは悪くないものの手仕舞い売りに押されるものも多く、インテルやアップル、IBMといったハイテク銘柄やキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄にも軟調なものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高やその要因となった世界的な景気鈍化懸念が薄れたことから買い先行となりました。ただ、東京証券取引所のシステムトラブルで主力銘柄の一角が売買停止となったこともあり、指数の上値も重く、小動きとなりました。上値の重さを確認しても売り急ぐでもなく、幕間つなぎ的に値動きの良い銘柄を物色する動きはあったのですが、目先筋の売り買いが中心とみられ、方向感に乏しい展開となり、売買高の割には盛り上がりに欠ける展開でした。外国人も株数は売り越し金額は買い越しと強弱感も掴み難く、指数を方向付ける要因とはなりませんでした。

 米国市場は底堅く堅調な展開で、為替も落ち着いているのですが、依然として欧州金融不安や円高懸念が根強く、本日の日本市場も引き続き上値の重い展開となりそうです。円高がどんどん進むとか、欧州金融不安や世界的な景気鈍化懸念が強まったというようなことでもないので、下値を売り叩くような動きにはならないのでしょうが、逆に買い材料にも乏しく、指数は方向感のない展開となりそうです。幕間つなぎ的に低位株の値動きの良い銘柄が物色されるのでしょうし、米国同様にSNS関連銘柄など小型のインターネット関連銘柄などが買い直されるのではないかと思います。

 8800円〜900円水準を抜けきれず昨日も改めて上値の重さを確認した格好となりました。下値を試すような動きでもないのですが、引き続き8500円〜600円を下値、8800円〜900円水準を上値としたもみ合いのなかでの上値を試すような動きとなるのだと思います。週末ということで手仕舞いの売り買いも出て、どちらかに持ち高が偏るようなことがあれば大きな動きとなりそうですが、どちらかといえば手仕舞い売りが優勢となって上値の重い展開となりそうです。

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