まず、建物の耐震性を見る上で最もよく活用されるのは、「耐震等級」という法律で定められた基準である。しかし、この耐震等級には誤解を招く表現が用いられていることをご存じだろうか。
耐震等級では、下記のような3等級が定められている。
この文章を読んで耐震等級の基準についてどのように感じるだろうか?
「建築基準法に基づいていれば、大地震でも倒壊・崩壊することはないのか」と感じる人も多いのでは。しかしながら、実際の建物の耐力から試算をした論文によると、巨大地震による被害発生確率は次のようになる。
驚くべきことに、建築基準法レベルの強さである「等級1」の場合、震度7の地震によって想定される倒壊被害は「28%」。つまり、等級1の建物が10戸あれば、約3戸は倒壊するということを意味する。この数字をどう受け止めるべきか。筆者の個人的な意見を述べさせていただくと、「高い」数値だと思っている。
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