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» 2012年02月02日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:患者数100万人超、うつになりかけたら“猫”のように生きてみませんか (1/3)

日本でも100万人以上が患者となるなど、社会問題となっているうつ。どんな人も発症する可能性があるうつだが、その対処法を考えてみた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 ひょんなことから私たちが運営するギャラリーで“うつ”がテーマの展示会を開催することになった。

 うつの心象風景、そこからの帰還を写真と文でつづるトビタヒロユキ個展「incubation〜孵化〜」(アートマルシェ神田)。見たいような、見たくないような気もする。

 彼は職場や上司への違和感からうつを発症し、自己嫌悪と脅迫観念に悩まされ自殺未遂まで起こした。モノクロになった心に色が戻るまでの数年間をアートで表現した。悶々とする毎日、数々の入賞歴のある写真スキルが救いになったのかもしれない。

ah_incubationsmall.jpg トビタヒロユキ個展「incubation〜孵化〜」の作品の1つ

患者数はここ10年で倍に増加

 我がギャラリーは新進クリエイターを支援することが狙いで、社会運動はしていない。ただ、「こういう展示はどこも引き受けてくれない」と言われたことと、お話があった前後、偶然知人女性2人から「うつ病に悩み会社に行けなくなった」話を聞いたことが開催を後押しした。

 Aさんは編集、BさんはSEと職種は違うが、どちらも「人と仕事の交差点」という仕事、五月雨式に業務が降ってくる。いっぱいいっぱいになったのか。2人ともある日、地下鉄に乗れなくなった。そして休職。1人は結局辞め、1人はポツポツと仕事への復帰を果たした。

 共通するのは仕事の大変さと、上司が助けにならないばかりか原因であること。うかつに相談すれば、「休めば」と肩叩き。そんな上司は、「上で司る」人ではないぞ。

 産業医に話して改善? 私は前の勤め先で心身症の社員がゴマンといるのを医師から聞いた。医師は症状がひどいと上司に通報する(本人承諾を得て)。だが、上司が原因では解決が難しいのだ。職場内のことゆえ、家族を含めて外部の人には分かりにくい。相談できず抱え込む。そしてある日パタンとやってくる。

 多分、読者の方々もうつの友人を1人は知っているのではないだろうか。なぜなら患者は加速度的に増えているから。

 厚生労働省の患者調査によると、「うつ病等の気分障害」の総患者数は1996年の43万3000人から、2008年には104万1000人と、12年間で2倍以上になっている。

ah_utsutotal.jpg 出典:社会実情データ図録

 また米国などでは抵抗なく医師の診察を受けるようだが(生涯有病率※は半数)、日本では「自分で治せる」と考え、また「恥の意識」もあり病院に行かない傾向にある(同2割弱)。

※生涯有病率……一生のうちに一度は病気にかかる人の割合。
ah_go1.jpg 出典:社会実情データ図録
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