月末のお化粧買いも最後だけで小幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月31日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は方向感はなく、円高となったことから売り先行となりました。ただ、決算発表が続々と行われるなかで、改めて芳しくない決算をみて売り直すというようなこともなく、売り一巡後は底堅く方向感に乏しい展開となりました。昼の時間帯や取引時間中に発表された決算に反応する動きはみられたものの「とりあえず買い」というような格好で買われ、個別に値を飛ばすものもみられましたが、指数は小動きとなりました。決算に相場全体が反応するということでもなく指数は為替動向などに反応していたということだと思います。

 決算はやはりという感じで円高の影響も大きく、芳しくないものがみられます。ただ、是まで決算は芳しくないだろうということで既に売られたいた銘柄も多く、「悪材料出尽くし」となるものも多くみられました。逆に好調な決算を発表しても織り込まれていたとして手仕舞い売りに押されるものも多く、決算にどのように反応して良いのか良くわからないような状況となっていました。総じてみると好決算を発表すると売られ、芳しくない決算だと買われるというような状況で反対の反応となっています。

 ただ、最終的には芳しくない決算を発表して買われても、買戻しのタイミングが決算発表ということであっただけなので、買戻し一巡後は手仕舞い売りや決算発表時の動きに連れて買いついた目先筋の見切売りなどもあって結局は相場も長続きしないと言うことだと思います。買戻しを急ぐ動きで買われすぎた分というのはすぐにでも手仕舞い売りに押されてしまうということでしょう。逆に好決算を発表して売られるようなことがあれば、水準によっては買い場ということになるのでしょう。

 結局は落ち着くところに落ち着くということであり、あくまでも目先的な動きに過ぎないのか、決算発表を機にトレンドが変わったのかを見極める必要があるのだと思います。目先の値動きに連れて買いつくというようなことであればあくまでも「目先の動き」と割り切って売り買いするべきでしょうし、中長期的に決算を見ながら売り買いしたいと言うことであれば、逆に目先の値動きには惑わされずに落ち着いたところで売り買いを判断した方がいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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