靴磨きから学ぶ、勝てる利用シーンの探し方(1/2 ページ)

» 2012年01月31日 08時00分 公開
[荻野永策,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:荻野永策(おぎの・えいさく)

株式会社ALUHA社長。Javaプログラミングができるマーケティング、営業戦略コンサルタント。1979年兵庫県西脇市生まれ。金沢工業大学でJavaを用いたソフトウェア加工学を学び、2001年情報処理学会北陸支部優秀学生賞を受賞。大学院を経てALUHAを起業。


 先日、「マット・コンサルティング 出張サービス 会議の間に職人が靴磨き」という記事を読みました。

 都内の外資系生命保険では月に1回、職人が出向き、会議などの合間に、靴磨きを終える。リピーター率も高く、「最前線の営業マンの中には足元の身だしなみを整える傾向がある」(マット・コンサルティングの津久井浩則社長)。働く女性の増加で、「ブーツを手入れする際にデリバリーサービスを利用する人も多い」(同)という。

 路上での靴磨きサービスは、人目に触れることから「抵抗感がある」との人も多い。さらに夫婦共働きが増え、妻が夫の靴を磨くといった慣習がなくなったことも、出張サービスのニーズを後押ししているという。

売り方を方向転換。強みを生かす売り方へ

 靴磨きといえば、路上で顧客が来るのを待つという、ある種の来店型ビジネスです。しかしながら、記事にもあるように「抵抗がある」というのはうなずけますね。私など、恥ずかしくて利用できません(小心者)。その顧客心理にいち早く気付き、来店型という待ちの状態から、訪問型という攻めの状態に転換したのがマット・コンサルティングです。

マット・コンサルティング公式Webサイト

 この結果、売り方としては方向転換したことになります。今までとは逆のスタイルです。当然、スタイルが変化すると、顧客の利用シーンも変化します。

 ポイントは、「利用シーン」と「売り方」の連動です。もともと来店型であるため、会議中に顧客が来店することは絶対にありません。しかし、訪問型にすれば、会議中の顧客も獲得できるようになります。というより訪問型にする以上、むしろ「そうすべき」だと思います。

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