2012年の賃上げ、夏のボーナスの見通しは?

» 2012年01月30日 18時44分 公開
[Business Media 誠]

 2012年の賃上げ見通しはどのくらいなのだろうか。東証1部・2部上場企業の人事・労務の担当者や労働組合の委員長などに聞いたところ、平均で「5154円/1.66%(定期昇給分を含む)」増であることが、労務行政研究所の調査で分かった。厚生労働省が行った調査によると、2011年の賃上げ実績は5555円(1.83%)であったが、これを401円(−0.17ポイント)下回る予測に。

賃上げの見通し(出典:労務行政研究所)

 「成果主義の広がりの中で、90年代以降、定昇制度の見直しを行った企業も少なくないが、なお何らかの定昇部分を設けている企業にとっては、制度を維持する上で定昇原資分の確保が賃上げの下限ラインと考えられる。労使について分布を見ると、『1.8〜1.9%』の“定昇”ラインが半数程度を占めており、それをやや下回る『1.6〜1.7%』がこれに続いている。震災からの復興、円高や欧州債務危機といった厳しい経済・経営環境下であるものの、“定昇”はほぼ確保される、という見方が主流だ」(労務行政研究所)としている。

夏のボーナスの見通し

 夏のボーナスについては、どのような見通しをたてているのだろうか。人事・労務、労働組合ともに、2011年の夏と比べて「同程度」(53.1%、56.1%)が半数以上を占める結果に。「増加する」と答えたのは労働組合が21.6%に対し、人事・労務が12.2%、「減少する」は労働組合の22.2%に対し、人事・労務が26.4%と両者に開きがみられた。

夏のボーナスの見通し(出典:労務行政研究所)

 「東日本大震災やタイの洪水といった災害の影響、急速に進行する円高や欧州債務危機への不安などから景気の回復は極めて緩やかなものとなっており、ボーナスは昨年と比べて『同程度』とするところが半数以上を占めた」(労務行政研究所)

 東証第1部・2部上場企業の労働側、経営側、労働経済分野の専門家505人が回答した。調査期間は2011年12月9日から2012年1月13日まで。

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