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» 2012年01月30日 12時51分 UPDATE

中村伊知哉のもういっぺんイってみな!:あっぷあっぷのコンテンツ産業に、打つ手はあるの? (1/3)

アニメやマンガなど日本が強みとするコンテンツ産業が、国内外で注目されている。しかしコンテンツ産業の市場規模は、拡大はおろか逆に減少に転じつつある。こうした縮小傾向に対し、打つ手はあるのだろうか。

[中村伊知哉,@IT]

中村伊知哉(なかむら・いちや)氏のプロフィール:

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慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。京都大学経済学部卒業。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。デジタル教科書教材協議会副会長、 デジタルサイネージコンソーシアム理事長、NPO法人CANVAS副理事長、融合研究所代表理事などを兼務。内閣官房知的財産戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省などの委員を務める。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策などを担当。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長を経て現職。

著書に『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ、共著)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、共著)、『デジタルサイネージ革命』(朝日新聞出版、共著)など。

中村伊知哉氏のWebサイト:http://www.ichiya.org/jpn/、Twitterアカウント:@ichiyanakamura


※編集部注:本記事は2012年1月27日に@IT「中村伊知哉のもういっぺんイってみな!」で掲載された記事を転載したものです。
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 ずいぶん遅ればせながら賀正。2012年は元気な年にしたいね! とゆーわけで、チョット元気が出るネタを。

 初夏にパリ郊外で開かれる「ジャパンエキスポ」の会場。おっさんどもが「涼宮ハルヒ」の主題歌をバックに踊りまくっている。女の子たちが日本の女子高生の制服をまとっている。何かのアニメのコスプレなのか、あるいはホントに日本の女子高生にあこがれているのか。日本では絶滅危惧種のガングロもヤマンバもいる。10年前に500人の来場で始まったこの日本文化イベントには、2011年には4日間で20万人が足を運んだ。

 クールジャパン!

 フランクフルト大学の日本学科は教員が2名のところ、日本のポップカルチャー熱で一昨年は100人、昨年は200人の学生が入ってきたという。米国では年間20回近くアニメファンのイベントが開催されている。アジアでも日本のポップカルチャーは評判が高い。重慶や南京といった反日感情の高い町でも日本ポップイベントを開くと熱狂的な歓迎を受けるという。

 クールジャパン!

 特に海外に進出しているのは、マンガ、アニメ、ゲームの御三家だ。マンガ、アニメともに海外で1千億円を超える売り上げを誇り、ゲームソフトの海外市場は7000億円に達するとみられる。世界で放送されているアニメの6割が日本製とされ、「ポケモン」は68カ国で放映、中国での「クレヨンしんちゃん」の認知度は8割近いという。

 クールジャパン!

 米国でもフランスでも日本のマンガが現地コミックをしのぐ人気を見せている。古来、横書きで左綴じの本を読んできた欧米では今、右手で開く右綴じの日本マンガの翻訳版が書店に並ぶという文化史的な現象が進んでいる。

 クールジャパン!

 政府もコンテンツ産業に期待を寄せるようになった。14兆円の市場が大きく成長することを見込み、総務省、文部科学省、経済産業省、外務省などが支援策を講じている。政府の知財計画では、2020年までにデジタルコンテンツ事業を5倍に成長させるとしている。

 クールジャパン!

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