米国株は軟調円高気味という割にはしっかりとした始まりでしたが、週末の持ち高調整の買いで指数を押し上げる場面も為替が円高に振れて下押す場面もあるなど波乱含みとなりました。前場の引け際までは非常に狭い範囲での動きで、後場も寄付きからしばらくしてからは動きに乏しくなるなど「いつもの」ようなパターンでもあったのですが、決算発表が続々と行われるなかで冴えない決算にも反応することもなく売り買い交錯となりながら結局は方向感に乏しい感でした。
米国FOMC(公開市場委員会)が終わり、金融緩和継続が確認されたことで円高に振れやすくなりました。円安にするにはここから一段と日本でも金融緩和政策がみられる必要があり、逆に日本だけ景気が好転するようなことになると(無いと思いますが)さらに円高になるということでしょう。米国だけではなく欧州も、中国やインドも金融緩和を進めており、いわば世界中で「金融緩和合戦」となっているような感じです。加えて欧米などでも「自国通貨安政策」を取っているのではないかと思われるような節もあり、日本だけ「みそっかす」にされているような感じです。
ここでしっかりとさらに金融緩和を進め、デフレ脱却に突き進めば為替も円安になり、企業業績の向上と物価上昇=賃金上昇とうまく回転していく可能性もありそうです。消費税増税云々という前にデフレからの脱却が先決ではないかと思います。各国が金融緩和を進めるとしているなかで、日本が出遅れるとさらに円高に振れて、良くて「空洞化」となり、景気の回復もまだまだ先ということになってしまうのでしょう。
金融緩和をどんどんして企業がもっと設備だけではなく、人にも投資できるようになれば、景気が良くなり、企業業績が良くなってさらに投資が増えて景気も良くなるということでしょう。政府もばら撒き政策をとるのではなく、1万円をばら撒くよりは10万円余計に稼げるような政策をとる必要があるのではないかと思います。消費税上げという前に消費税を上げなくても税収を増やすことを考えても良いのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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