「最近の若者はダメ」というが、本当にそうなのかちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(5)(5/6 ページ)

» 2012年01月20日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

ちきりん:おもしろいですね。今の若い人とは全く違います。今は、本もネット上のレビューを読んで「あ、この本、オレには合わないな」と判断すれば読まないし、加えて「このレビュアーはオレに合う、合わない」まで判断する時代になってます。「この人の勧める本ならオレには合う」というように、自分に合ったキュレーターを探す時代です。わざわざおもしろいと思えない本を読んで視野を広める、という感覚はあまりないかも……。

 ちなみに私は、今の若い人が海外旅行もしない、勧められた本も読まないといっても、無駄にダラダラしているとは思っていません。私が海外旅行をしていた時間、中田さんが難しい本と格闘していた時間に、今の若い人は何か別のことをしているわけです。それはネットかもしれないし、携帯ゲームかもしれない。

 私はゲームの世界をあまり知らないので、「海外旅行のほうがゲームより楽しいよ」と言いたくなります。結局のところ、誰でも「自分が経験したことのほうが価値があるよ」と言いたくなるんです。でも、若い人は海外旅行よりもゲームに価値を感じている。ということは、そこから次の時代につながる何かが生まれてくるんだろうと思うんです。

中田:いつの時代も変わらないことは、自分の実体験プラスアルファーということなのではないでしょうか。私たちの時代は不完全な情報に対し、現場に足を運んで、自分の目で見て確かめたかった。自分が経験して、そのことについて語りたかった。なぜならば、そこに結論が出ていたわけではなかったから。しかし今はネット上に「いい結論」「悪い結論」があふれている。

 それでも実体験プラスアルファーは必要なのだと思う。実体験がベースにあるので、人の情報というものが生きてくる。僕はあまりノウハウ本は好きではありません。なぜならノウハウ本を書いた人が一番、そこから学んでいると思うから(笑)。

ちきりん:ハハハ。それはその通りですね。

今の若い人は、ナニをして遊んでいるのだろうか? (写真と本文は関係ありません)

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