昨日午後の動きを踏襲したものの後場は方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2012年01月19日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8639.68円 △89.10円
売買高 21億3168万株
売買代金 1兆1502億8400万円
値上がり銘柄 889銘柄
値下がり銘柄 620銘柄
騰落レシオ 101.40% △3.50%

日経平均

米国株高やユーロ安を受けて買い先行、昨日午後の動きを踏襲したものの後場は買戻し一巡から「いつもの」方向感に乏しい展開

 米国株が堅調となったことやユーロ安が一服となったことに加え、昨日午後の持高調整の買戻しを急ぐ動きが朝方からみられ大幅高となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)は株数、金額ともに売り越しと伝えられたのですが寄付きの買いが一巡となっても先物主導で買戻しを急ぐ動きは続き大幅高にもかかわらず上値追いとなりました。個別株の動きも昨日の午後と同じように売られていたものが買われ、買われていたものが買われるような展開は続き持高調整の売り買いが中心となるなかで値持ちの良い展開となりました。

 昼の時間帯にも昨日のように先物にまとまった買いがみられる場面もあり、後場も堅調な始まりとなりましたが、昨日と違って先物に断続的に買戻しを急ぐ動きはみられず、見切売りに押され上げ幅縮小となりました。個別の銘柄も前場売られていたものが買い戻されるような場面もあり、またぞろ目先筋の動きが復興関連銘柄などにみられ、主力銘柄は手仕舞い売りに押されるものもみられ指数の上値も限定的となりました。日経平均が節目とみられる8500円〜600円水準を抜けかかったことで買戻し一巡後は積極的な買いも一服となったものと思います。

 小型銘柄はインターネット関連銘柄などに大きく売られるものもみられ、後場に入ってから切り返すものもあったのですが、手仕舞い売りに押されるものが多くみられました。二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調となったのですが、東証マザーズ指数は大幅安、ジャスダックTOP20は軟調となりました。先物は朝方から昨日の午後のようなまとまった買いが断続的にみられ、指数を押し上げましたが午後になるとまとまった買いもみられず、手仕舞い売りに押されて上げ幅縮小となりました。散発的にまとまった買いがみられましたが追随する動きもなく指数を押し上げるというところまではいたりませんでした。

 昨日も本日も前場と後場で大きく雰囲気が変わりました。昨日の前場と本日の後場はいわば「いつも通り」と言う雰囲気でしたが、昨日の後場から本日の前場にかけては特に先物にまとまった買戻しなどがみられて大きく指数を押し上げ、個別の株を見てもこれまで売られていたものが買い戻され、買われていたものが売られるという感じでした。ファンド筋か何かが中国の春節で中国の金融緩和が発表される可能性があることや日銀の金融政策決定会合などもることから持高調整をしたのではないかと思われます。世界的な景気回復にも欧州金融不安にも疑心暗鬼で方向感が掴み難いところで方向性を示されるとついて行きたくなるということなのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 雲の上限まで戻り、遅行線も日々線を抜けかかっていますが、さすがに上値も重くなりました。ここからは遅行線が日々線に押されて日々線は雲の中での調整となってくるのではないかと思います。RSIやストキャスティックスは若干上値余地もあり、雲を抜けて「三役好転」となる可能性もありますが、「三役好転」となっても一気に戻りを試すというよりはいったん、目先的には雲にサポートされながら過熱感を冷ますような動きとなってくると思います。

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