ステンカラーコートを身にまとった中年の私服警官が、「鬼軍曹」の背中に心配そうに声をかける。
「どうすんだよ? あけんの!? あけんの!? これ」
ここを突破されたら「人間の鎖」のみなさんとの衝突は避けられない。「在特会」のテンションなら、マスコミに囲まれて会見をしている「従軍慰安婦」のとこにも突っ込んでいくだろう。これは外交問題にも……つーか、警察のみなさん、こんないきあたりばったりで警備計画、大丈夫?
と、その時、もみあう警官たちと「在特会」の中から「全員、静まれ!」という叫び声があがった。桜井会長である。
「下げることは下げるけど、君たちだってこうなった原因は最低限考えろ。外務省の前で、反日極左にやりたい放題やらせるからだろ! 警察もあっちを取り締まりなさいよ。だったら、私たちだってここまでこないよ!」
これは確かに一理ある。「人間の鎖」の参加者はノーチェックでこちらに渡れるが、保守系市民団体のみなさんは立ち入り制限。車道を隔てた農林水産省前あたりから、声を枯らせて叫んでいる。近づけたらケンカになるのであれば、せめて門の左と右に分けるとか。こういうえこひいきをすると、怒りが増すだけだと思うのだが……。
その後、多少の小競り合いはあったものの、「在特会」は道の向こうへと後退。車道を挟んだ場所から、「主権回復を目指す会」や、日本を愛する女性たちの団体「なでしこアクション」「頑張れ日本! 全国行動委員会」などの保守系市民団体と並び、1時間以上も声を枯らせてシュプレヒコールをしていた。
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