冴えない展開が昼に一転、買戻しを急ぐ動きで先物主導で一時大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月18日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は堅調となったのですが、昨日の大幅高の反動もあって売り先行となりました。ただ、ユーロ安も一服となって底堅さもみられると先物にまとまった買いが入り後場から大幅高となりました。意外高となったことで改めて買戻しを急ぐ動きもあって指数を押し上げたものと思われますが、為替も債券も大きな動きにはならず、あくまでも先物主導、持高調整の買戻しで大幅高となったものと思います。異様に強さはみられたのですが、明日につながるような雰囲気でもなく、最後は手仕舞い売りに押されるなど売買高は増え、指数は大幅高となったのですが、何となく物色対象もはっきりとせず盛り上がりませんでした。

 先物主導で指数を押し上げ、為替が円安になったからだとかいろいろな材料が話題になりました。ただ、これといった材料のない中で多分に目先筋も含めた持高調整の動きで買戻しを急ぐことになったのではないかと思います。先週末も日経平均を無理矢理8500円までもっていったというような感じでしたが、今日の動きも同じようにちょっと無理があるような気がします。いつもであればわけのわからない買いがみられたときなどは「円安だから」とか、「中国株が高いから」などと素っ頓狂な材料を探して来ていたのですが、本日はそうした材料すらみつからず何もコメントがみられませんでした。

 結局、特に材料がなく単に目先筋の持高調整がきっかけになったということなのかもしれず、また、先週末のように何かファンドの決算での買戻しや仕組み債絡みの持高調整ということではないかと思います。トヨタ(7203)やキヤノン(7751)など先物の動きや為替に敏感に反応しそうな銘柄は動きが鈍く、あくまでも先物と現物とを絡めたETF(上場投資信託)組成などの持高調整の動きではなかったかと思います。ただ、欧州金融不安が一段落となったことや高止まりとはいえ、為替も落ち着いていることで買戻しが入りやすかったということだと思います。

 空売りのロスカットを急ぐ動きもあったものと思われ、明日以降もこの買いが続くのかといえば、今週いっぱい、「20日」を意識して20日まで続くのか、あるいは来週からの中国の春節=旧正月を意識した動きなのか、はたまた、来週始めの日銀の政策決定会合を控えての持高調整なのか、いずれにしても一過性の持高調整には違いなさそうで、売り方も買い方も慌てず冷静に動いた方が良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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